この車の最大の特徴は、ステンレス製の無垢であり洗練されたデザインと、上方向に跳ね上がるガルウィングと呼ばれるドアでしょう。
このカッコいいデザインとは裏腹に性能は高くなく、また為替変動の煽りも受けて、デロリアン・モーター・カンパニーはわずか2年余りで倒産してしまいました。
そのため、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の公開時にはもうこの会社は存在していなかったのです。
デロリアンが選ばれたワケとは
なぜ当時名の知れていなかったデロリアンを重要なタイムマシーンとして採用することとなったのでしょうか。
そのデザインに秘密が
当初はタイムマシーンを冷蔵庫にする予定で進められていたそうです。
しかし子供が真似して冷蔵庫に入る危険性、またマシーンが動き回るという役割を考慮した結果、車をタイムマシーンにしようという話に。
そして上にドアが跳ね上がるデロリアンのデザインが、宇宙船と間違えられるシナリオともうまくマッチするだろうということで、このデロリアン社製DCM-12が選ばれたのです。
また、スタッフの一人が「フォード社製のマスタングを採用してくれれば、フォード社から75,000ドルを受け取れるらしい」と製作を担当していたボブ・ゲイル氏にもちかけたそうです。
しかし彼は「ドクはそんな車には乗らない」と突っぱねたそうです。
デロリアンがひときわ目立つ特徴的なデザインだったからこそ、ストーリー上のこだわりにフィットすることができたのでした。
まとめ
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はスティーブン・スピルバーグ監督をはじめとする製作スタッフのこだわりが豊富に詰まった作品です。
特に数多く散りばめられストーリーが進むに連れて意味を紡ぎ出す伏線や、スタッフのデロリアンに対する思いなど、様々な要素がこの作品に彩りを加えていることがわかりました。