湯田が単純にモテていた、そして気が多い男だったという意味があるのではないでしょうか。
花に恋をあきらめさせる
2つ目は花に自分への恋をあきらめさせるという意味が考えられます。
湯田にとって花は幼馴染という関係というだけだったのではないでしょうか。
小4から誕生日プレゼントを贈ってこなくなったというところからもただの幼馴染の域を出ない関係でしょう。
したがって3人に婚姻届を渡すのを花に知られることで花に恋をあきらめさせるという狙いもあったと考えられます。
同年代女子の婚姻届への反応を見たかった
3つ目に考えられるのは同年代の女子が婚姻届にどのような反応をするのか確かめたかったという理由です。
湯田が婚姻届というものを意識したのは花がバレンタインにチョコと一緒に送った時からとみて間違いないでしょう。
花に返事がなかったということは湯田自身も婚姻届を受け取って困惑したに違いありません。
よって同年代の女子に婚姻届を渡して反応を見たかったのではないでしょうか。
湯田の背中に蜂を入れた理由
花は転校の挨拶をする前に湯田の背中へ蜂を入れましたが、なぜだったのでしょうか?
花からの仕返し
まずは花からの仕返しと考えることができるでしょう。
自分からの婚姻届は無視をしたくせに3人もの女子に婚姻届を渡していたのですから当然ではありますよね。
蜂をたまたま見かけた花が悔しい気持ちからつい出来心で蜂を入れてしまったのではないでしょうか。
湯田を更生するため
次に考えられるのは湯田を更生するためです。
「何を馬鹿な事をやっているんだ」という気持ちからくぎを刺すような想いで蜂を入れたのではないでしょうか?
幼馴染で昔から人柄や性格を知っている花だからこそ、そういった想いを抱いていたと考えられます。
湯田との関係を改善するため
最後に、湯田が転校する前に記憶に残る何かをしたかったという可能性も考えられます。
花は渡した婚姻届が無視され、湯田は3人に婚姻届を渡したのがクラスに知れ渡ってしまいました。
これまでの関係が変わり、気まずかった2人の関係を最後に打破しようと蜂を入れたのではないでしょうか。
岩井俊二が手掛けた長編アニメーション
『花とアリス殺人事件』は岩井俊二が監督する長編アニメーション映画として予告編から大きな注目を集めていました。
ここでは本作のアニメーションとしての側面や岩井俊二作品には欠かせない音楽について考察していきます。
ロトスコープを使ったアニメーション
『花とアリス殺人事件』はロトスコープを使ったアニメとして有名です。
ロトスコープ(英語: rotoscope)はアニメーション手法、もしくはVFX手法のひとつ。
モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ロトスコープ
常にさまざまな表現を模索し、研究している岩井俊二だからこそこういった手法を積極的に取り入れることができるのではないでしょうか。