中でも左慈の設定変更による存在感の増し方は、実写化を観た後の驚きとして多くの意見が寄せられているところです。
左慈が元将軍になっている
今作で注目されている左慈は、原作では肆氏の人斬り長という設定で肆氏の取り巻きとして初登場します。
しかし映画では元将軍という設定に。なぜこんな設定変更をしたのでしょうか。
もし左慈が元将軍でなければ説得力はありません。
人斬りの立場のままでは信の夢を否定できるだけの根拠を持たないのです。
信が元将軍相手にどれだけ自分の意志を貫けるかという葛藤を描くための設定になっています。
左慈がラスボスに!
原作で描かれている巨大なランカイを山の民と協力して倒すシーンは人気があります。
孤児として育った信が「チームで勝つ」という初めての体験をするのです。
今後将軍になったら部下をまとめて指揮する立場になるのですから、そのための足掛かりといってもいいでしょう。
一方映画では元将軍との対峙で、信の決意表明みたいなものを見せることができたのではないでしょうか。
「将軍とは何?」「夢は叶わないの?」などの迷いや疑問を断ち切る役割があったのです。
左慈がラスボスになったもう1つの理由は「元将軍」という経歴にあります。
下僕の身分である信にとって将軍は高い壁です。この壁を越えることが彼の行末を決める重要ポイント。
そういう意味でただ強くて大きいだけのランカイより、元将軍である左慈をラスボスに据えるのが適切だと考えたのでしょう。
カットされたシーンは?
設定の変更に合わせて描けなくなっているシーンも多いです。
この中からも監督が映画に込めた想いが見えてくるかもしれません。
残酷な描写無し
原作では真っ二つに切られてしまうシーンなど、実写化した場合には残酷な描写になるようなシーンが多く出てきます。
映画ではそういった描写はほとんど見受けられない内容になっています。
この作品は戦闘シーンも魅力の1つなので、どこまで描くか悩んだと思います。
しかし残虐なシーンをカットしても原作の魅力を損なわない演出は素晴らしいです。
子供にも観てもらいたい
キングダムは夢をテーマにしているため、子供にも観てもらいたいという想いが強かったのではないでしょうか。
普通だったらどう頑張っても下僕から将軍にはなれません。それが常識です。