しかしその常識を覆す力を誰もが持っています。そのことを大人だけでなく子供にも伝えたかったのでしょう。
実写版を通じて監督の伝えたかったこと
漫画原作の実写化に対しては否定的な意見も多くなる傾向にあります。
「キングダム」にも制作決定後からそういった意見も少なくありませんでした。
そんな中で、メガホンを取った佐藤信介監督は、これまでにいくつか漫画原作の実写化に成功した実績を持っています。
オリジナルシーンや設定の変更などには、どういった想いが込められているのでしょうか。
努力
脳天への突きで左慈を討てたのは、一人黙々と訓練した賜物です。
原作には無いこの訓練シーンを挿入したのは「信の躍進は日々の地道な努力の結果だ」というメッセージなのではないでしょうか。
もちろん信には剣の才能があったことは間違いありません。
しかし才能にあぐらをかいていたらここまで強くなれなかったはずです。
天才とは1%の才能と99%の努力だという言葉もあります。
夢に向かって突っ走るということは、ただガムシャラに進むわけではないのです。
その裏でどれだけ努力するかが夢の実現を大きく左右するのでしょう。
夢を持つことの大切さ
「理想としているのは原作のファンに新たな感動を与えること。そして原作を知らない人にはこんなに面白い作品があるんだと知ってもらいたい、原作を読んでみようと思ってもらうこと。その二つをずっと考えています」
https://natalie.mu/eiga/news/328207
原作ファンに新たな感動を与えることも監督の想いに常にあったようです。
映画のテーマの一つとして「夢」があります。何度も作品中で夢を持つことの大切さを訴えかけていました。
左慈は戦場に夢は転がっていないという相反する意見の持ち主で、クライマックスでは左慈と信を対比させる形をとっています。
大人になって社会に出ると、自分の夢を忘れてしまいがちです。
そんな大人達にとって「子供の頃に見た夢は何だったか」を思い出すきっかけになっているのではないでしょうか。
再現度の高い実写映画「キングダム」
今世紀の日本映画で一番制作費をかけたのではないかといわれるほどの超大作であるこの作品。
中国で大規模な撮影を行うなど、再現度の高さもこの作品の注目する点です。
その中で今回は、原作との違いを掘り下げてきました。
実写版だけの楽しみとなるところなので、ぜひチェックしてみてください。