今作が作られたアメリカでは、文化的背景に関しては共通認識であり必要のない情報のために詳細に描かれていません。
世界の中でも特殊な信仰観を持つ日本で育った人にとっては分かりづらい部分もあるため確認していきましょう。
キリスト教について
キリスト教は世界で最も信仰する方の多い宗教であり、知名度の高い説話に「アダムとイブ」があります。
旧約聖書の冒頭にある「創世記」の中で、アダムとイブは神から禁じられていた「善悪の知識の樹」の実を食べました。
その結果楽園を追放されてしまう…というあの有名な説話です。
この説話がどのように「破壊神ゴーザの誕生」に関わってくるのか。
他の情報を確認してから「破壊神ゴーザ誕生の条件に込められた真の意味」で解説していきます。
ヒッタイトについて
さまざまな文献を確認すると、ヒッタイト人は紀元前1800年頃に現在のトルコ中央部に国を建てたというのが定説。
ヒッタイトの宗教は日本と同じように様々な神を崇拝していたようです。
その神々の多くはヒッタイトの文化から生まれたものではなく、異民族が信仰していた神を自分たちも信仰していました。
この時代は、国の政治と宗教的な儀式や規定は不可分のものだったそうです。
それは支配した地域の統治を円滑にしたり、文化や技術を学び取るために必要な方法だったのだと考えられています。
劇中では、「ヒッタイト人とメソポタミア人の神ズールはゴーザの家来」であるという設定を持ち込んでいました。
広い範囲の宗教観が、今作でゴーザ誕生の条件に込められた真の意味を理解するためには必要であることがうかがえます。
とはいえ、気軽にソファーでポテチを食べながら観られる名作SFコメディなので難しく考えすぎずにいきましょう!
時代背景がポイント
映画が公開された1984年当時のアメリカでは不法移民が増え、雇用が社会問題になっていたという背景がありました。
雇用問題がゴーストバスターズを生んだ?
ピーター達がコスト軽減のために大学をリストラされたのも雇用問題が原因の1つです。
また受付嬢が2週間も休みが無いと訴えた時「辞めても構わない」「優秀だから他でも雇ってもらえる」といい返されていました。
それでも辞めなかったのは、雇ってくれるところが無いことを知っていたからです。
働くところがあるだけマシだったことが分かります。
ゴーストは不法移民を表していた?
自分の仕事を不法移民に奪われていたのなら、彼らを一掃したいと考えても不思議ではありません。
不法移民をゴーストに見立てて排除する。当時のアメリカ人の本音を描いている作品なのかもしれません。
異国の神が敵
キリスト教圏のアメリカなら、ゴーストや霊的な敵には悪魔・デーモンを据えるのが一般的ではないでしょうか。
しかしゴーストバスターズの敵は異国の神でした。
ゴーザをはじめとした異国の神。それらは不法移民が崇めている神を表していると考えることができます。