白髪を見つけた彼女は、エリスと共にこの先の人生を歩んで行けることを知りました。
だから彼女は、幸福を感じながら白髪を完璧だと言ったのです。
アデラインの変化
エリスの前で昏睡状態から目覚めたアデライン。肉体以外にも、彼女には変化が訪れていました。
エリスからの呼び方
パーティに出かける前、エリスは彼女に向って「アデライン」と本名で呼びかけています。
正体を偽って生きてきたアデラインは、エリスの前でもジェニーという偽名を使っていました。
彼女が何も隠さず、ありのままでエリスと共にいる決心をしたことが分かります。
カメラを取るアデライン
パーティに行く支度をするアデラインは、荷物にカメラを入れました。
彼女は秘密がばれることを怖れて写真に撮られることを嫌がっていたので、ここでもその変化を見て取ることができます。
元々、彼女は飼い犬や夫の写真を持ち歩いており、思い出を手元で大切にするキャラクター。
しかし、その中に自分の姿を入れようとはしていませんでした。
カメラを手に取ったアデラインは、人と関わり思い出を持つことを怖がらなくなったのです。
アデラインが逃げてきたもの
当局にバレないように、と繰り返し名前と住む場所を変えて生きてきたアデライン。
ですが、彼女が逃げてきたのは警察や政府からだけではありません。
ひとりだけ年を取らない彼女は、誰かと深い関係を築いたとしても、いつかはひとり残されてしまう運命にありました。
そのときアデラインに残されるものは、相手と知り合う前よりもはるかに大きな孤独です。
その悲しみの深さは、愛犬を安楽死させたときの彼女の様子から伺えます。
アデラインが怖れていたのは、何よりもこの孤独と悲しみだったのです。
アデラインの勇気
白髪を見つけるまで、アデラインは自分に老化が戻ってきたことを知りませんでした。
にも関わらずそれまでの自分の生き方を変えたのは、別れの辛さよりもエリスと共にいる時間を選んだため。
たとえそのあとにもっとつらい思いをすることになったとしても、人を愛すると決めたアデラインの勇気は大きなものです。
人生で幸福を得るためには、時にこのように勇気を伴う必要があるのだと映画は伝えています。
ウィリアムの選択
ウィリアムはアデラインと離れ離れになってから、その後出会った別の女性キャシーと結婚していました。
ウィリアムとキャシー
アデラインが再びの事故から生還したあと。
エンディング直前、ウィリアムと彼の妻キャシーの記念日祝いの様子が映されます。
アデラインと離れ離れになってからのウィリアムが、幸福な人生を歩んできたことが伺えるシーンです。