ジェーンだけが唯一エリザベスの手の内を全て知っていた例外的な存在であり、腹心の部下といえます。

彼女はエリザベスにメモを渡して立ち去るのですが、その理由を考察していきましょう。

実はジェーン視点で語られていた

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まずジェーンがエリザベスにメモを渡すシーンの回想はあくまでジェーン視点で語られていたということです。

基本的にエリザベスの視点で動いていた本作で唯一「視点の切り替わり」が行われたシーンでした。

カメラワークが余りにも鮮やかである為に気付きにくいですが、このシーンだけはサイドから展開されています。

普通だったらエリザベスしか知り得ない情報を秘密主義者の彼女が自らバラすような真似はしません。

当事者のジェーン以外にこの真相を深くまで知っている者は居ないことを押さえておく必要があります。

密偵だったから

密偵 (岩波文庫)

エリザベスはジェーンを敢えて密偵として前の会社に残し、まるで訣別したように見せていたからです。

即ちジェーンが学業優先で汚い現実の政治を見たくないのが本心であることも承知しています。

だからこそ彼女は無理のない形でジェーンに出来る最大限の仕事を与えていたのではないでしょうか。

同時にこの密偵の役割があることでエリザベスは常に敵の動きを知りながら動くことが出来るのです。

ビジネスの世界といえどあくまでも国家を敵に回す戦争ですから、作戦は徹底しないといけません。

ソクラテスとプラトン

ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)

そしてエリザベスとジェーンはソクラテスとプラトンの関係性に喩えられていました。

ソクラテスの言葉が有名になったのは弟子のプラトンが彼の言葉を書き記して広めたからです。

エリザベスとジェーンも同様に時代を動かすヒーローには優秀な二番手が欠かせません。

そして真に歴史を作っているのは偉業を成し遂げた人達ではなくそれを書き記して広める人達です。

その意味ではジェーンこそが真の「神の見えざる手」だったのではないでしょうか。

英雄と大罪人は紙一重

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ここまで幾分肯定的に考察しましたが、エリザベスのやったことは紛れもない偽証で大罪人です。

しかし一方でそれと引き換えにアメリカを救った伝説的な英雄でもあります。

勿論エリザベス自身は自分が英雄になることを望んでいたわけではありません。

あくまでも自分が好きなことを仕事として突き詰めていった結果国家への反逆を成しただけです。

国を動かすともなるとこれ位違法なことをやらないといけないということでしょうか。

いずれにしても一流の世界をエリザベス・スローンは見事に実践したことだけは事実です。

権威はこれから衰退していく

中世足利氏の血統と権威

いかがでしたでしょうか?

本作は未来を予見したかのように国家の陰謀がピカレスクヒーローに打ち砕かれていく様を描きました。

それは同時にこれからどんどん組織や国家の権威が衰退していくということなのです。

国家と企業が対等になり、そして最終的には個人が国家を自己犠牲覚悟で転覆させてみせました。

エリザベス・スローンの生き方やヒーロー像はそう誰しもが真似出来ることではないでしょう。

しかし、彼女のような強さを持った人こそがこれからの時代に求められているのかもしれせん。

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