心配するということは一見、愛情の深さゆえのように感じますがそれだけではありません。
子供を信じられないという心が、心配を生んでいるのです。
子供は親が守るものですが、子供を成長させるには見守ることが大切なのです。
マーリンはニモと離れた時間を持てたことで、自分自身も様々な経験が出来ました。
旅の途中、シングルファザーの自分への子育てについてのアドバイスももらっています。
子育てというテーマにフォーカスを当てて観ると、実に深いストーリーとなっているのではないでしょうか。
マーリンと対称的なキャラクター
劇中で神経質に描かれていたマーリンと対照的に描かれていたのは、アオウミガメのクラッシュです。
150歳の先輩クラッシュ
劇中に登場したクラッシュは150歳という大先輩で、子育ても実に楽しそうです。
気楽にいけよな
引用:ファインディング・ニモ/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
短いセイフですが、神経質に子育てをしているマーリンには大きな意味を持つセリフではないでしょうか。
子育て中の人が観ていたら、きっとマーリンと同じ心境になるはずです。
意図せずして、旅に出ることになったマーリンですが自分の価値観を大きく変えた旅でもありました。
ポジティブなドリー
ドリーは短期記憶障害を持つナンヨウハギです。
彼女はとにかくポジティブでどんどん前に進んでいく性格なので、マーリンをぐいぐい引っ張っていくのです。
何でもすぐに忘れてしまうのですが、そんな彼女にイライラを見せるマーリンはニモを心配のあまり心に余裕がなかったのでしょう。
心配性のマーリンと楽天家のドリーのコンビだったからこそ、ニモと再会出来たのではないでしょうか。
社会現象を生んだ『ファインディング・ニモ』
『ファインディング・ニモ』はピクサー ・アニメーションとしては「トイ・ストーリー」などに続く5作目の長編アニメです。
第76回アカデミー賞では長編アニメ賞を受賞
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ファインディング・ニモ
輝かしい受賞もさることながら、個性豊かなキャラクターたちが社会現象を巻き起こしました。
他と同じじゃなくてもいい、世界は広く冒険に満ちている…。
子育てというテーマ以外にも様々な人間社会を映しだした作品です。
それぞれのキャラクターにフォーカスを当てて観ると、何通りも楽しめる映画なのではないでしょうか。
大人こそが味わえる名作
『ファインディング・ニモ』は、深く考察すればするほど味わいが出てきます。
勿論子供が楽しめる仕掛けも沢山ありますが、その裏には深い意味が隠されているのです。
マーリンやニモの成長は、人間にもそのまま置き換えることが出来るのではないでしょうか。
自分に似たキャラクターを探すのもひとつの楽しみです。
また本作に登場したドリーを描いた「ファインディング・ドリー」と併せて観返してみるのもおすすめです。