本作におけるハワイとはそのような“不可思議な非日常”の象徴であるのかもしれません。
そう考えれば記念写真にUFOが映っても不思議ではなく、寧ろ必然の出来事だったと推測されます。
おじさんがハワイでつかまった理由
ハワイ到着後、おじさんはタバコを買っただけなのに何故か捕まってしまいます。
一体何故逮捕されてしまったのか、詳しい事情を掘り下げていきましょう。
タバコではなく大麻の葉っぱだった
彼が偶然買って手にしたのはタバコではなく、何と大麻の葉っぱだったのです。
しかも100ドル(日本円で1万円相当)で奥まった人気の無い裏路地へ連れていかれたので普通ではありません。
しかし、そんなことを知らないおじさんは騙されて買ってしまい見せびらかして歩いていたのです。
それは犯罪者扱いされても仕方なく、知らないことが如何に恐ろしいかを示しています。
哲学者と自負する割にはこういう裏の知識や事前の調査を怠ってしまっていることが原因でしょう。
「君子危うきに近寄らず」とはいいますが、彼は君子でないからこそ近寄ってしまうのです。
危機管理能力のなさ
ここから窺えることはおじさんの役立たずなぼんくらの理由が危機管理能力のなさにあるということです。
もしおじさんが哲学以外の知識もきちんと普段から収集していればこんなことにはなっていません。
それにその哲学にしたって、エコの為に空き缶回収というズレた視点で物事を考えているのです。
何をしでかすか予測不能なので、彼を知る人達が煙たがったり不安に思ったりするのも無理はありません。
それが完全に裏目に出てしまい無用なトラブルを呼んでしまったのがこのシーンではないでしょうか。
悪銭身につかず
そして三つ目に、彼が手にした大麻のお金は彼自身のお金ではなく居候の家族のものです。
要するに自分で汗水流して得たわけではないお金でズルして楽した罰が当たったのでしょう。
正に悪銭身につかず、他人に寄生して楽して得たお金では決して価値あるものは得られません。
彼のやっていることは明らかにお金からも人からも嫌われそうなことばかりです。
お金とは「稼ぎ方」も大事ですが、それ以上に何よりも「使い方」が大事といわれます。
私利私欲で1万円相当のお金を百害あって一利なしのタバコに使う意味をおじさんは分かっていません。
エリーの悩みのタネ
日本で一度おじさんがお見合いして断られた相手のエリーと偶然に再会する雪男たち。
彼女にはある悩みのタネがあり、それがこのハワイ旅行で判明するのです。
果たしてそれは一体何だったのでしょうか?
コーヒー農園の跡継ぎ
まず一番の問題は夢であったフォトアーティストを諦めて実家のコーヒー農園を継ぐことでした。
しかも祖母や母が居なくなって後継者がいないからという、納得の行かない理由だったのです。
自分にその経営者の素質があるかどうかも分からない同族経営の悩みは簡単に解決出来ません。
現実の企業などでも同族経営の会社は上手く持ったとしても三代目までだといわれています。