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『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』は、高橋敦史監督が手掛けた劇場版ドラえもんシリーズ37番目の作品です。
南極大陸の地下に隠された古代文明の秘密を解き明かすための冒険は、ドラえもんとのび太の絆を中心に物語が展開。
幻想神話、架空神話といわれている「クトゥルフ神話」がベースになっている世界観が一部の大人を刺激した作品となりました。
今回は、そんな子供向けアニメに隠されたクトゥルフ神話の要素が示す意味を考察していきたいと思います。
作中で登場する偽ドラえもんの役割にも目を向けながら、古代アトランティスやクトゥルフ神話とのつながりを考えていきましょう。
恐怖の幻想話を詰め込んだクトゥルフ神話
「クトゥルフ神話」は、アメリカのホラー小説を元に複数の作家の作品がまとめられた仮想神話です。
ハワード・フィリップス・ヴクラフトの長編作品を元に、別の作家が共通する地名や人名などを使った作品を発表。
ヴクラフトを始め共通する作品や設定をまとめたものが、「クトゥルフ神話」として誕生しました。
ベースとなった物語
「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」で使われたのは、神話の大本となった作品「狂気の山脈にて」。
ホラー作品として出版されたそれは、南極大陸を調査中の探検団が遭遇した恐ろしい経験をまとめた物語となっています。
映画の中には、巨大な山脈や地下洞窟、未知の生物の化石など、クトゥルフ神話と映画との共通点が多数登場。
冒頭から出てくるオクトゴンは神話に登場する触手の化け物との類似しており、原作を知る者の興味をビシバシと刺激してきます。
地球外生命体の存在
10万年前の地球に登場するのは、ヒョーガヒョーガ星からやってきた異星人です。
「クトゥルフ神話」では、タイトルにもなっているクトゥルフという存在を神として神格化。
太古よりもさらに古い時代に地球にやってきた地球外生命体として描いています。
これらの類似から、ヒョーガヒョーガ星人の祖先が作り上げた化石生命体は、クトゥルフの末裔として置き換えてみることが可能。
カーラたちの祖先であるヒョーガヒョーガ星人をクトゥルフ神というポジションとして考えてみることができます。
ヒョーガヒョーガ星の技術と神話の繋がり
古代ヒョーガヒョーガ星人が残した石造技術は、神話の中で登場しているクトゥルフの末裔の存在と類似します。
モンスターのような存在の動く石造たちもまた、クトゥルフを元に誕生したキャラクターなのでしょう。
生ける石造は神の末裔
「神性を具えているクルウルウ(クトゥルフ)とは異なり、本作に登場する「クルウルウの末裔」は、神格というより、ミ=ゴと同列の宇宙生命体のような扱
いで、「陸棲種族」「蛸に似た宇宙生命体」などと表されている」引用:Wikipedia
クトゥルフ神話では、クトゥルフ神とその末裔たちの存在がモンスターのように描かれているのが特徴です。
本作でもその特色は強く、オクトゴンなど命を持った石造がそのポジションとなってるのでしょう。
南極の地下に眠る遺跡
ドラえもんたちは、南極大陸に潜む古代アトランティスを目指して冒険に出ました。