前作との関連でいえば、ボーンが背負っているテーマは「スパイという修羅の連続」と向き合うことでした。

アボットが口にする「過去からは逃れられない」という台詞は前作の終盤にも出てくる台詞です。

ボーンが望むかどうかに関わらず、一度スパイとなったからには一生向き合う必要があります。

彼は望んでスパイになったわけではなく、寧ろ人命の重さや優しさを知るからこそ殺し合いを忌避するのです。

スパイとしては明らかに失格ですが、ここで人間性を捨ててしまえば単なる生物兵器になります。

殺人や復讐といった一時的な衝動に駆られてもそれを昇華し己のものにしてこそ一人前のスパイです。

マリーがボーンを止めようとした理由

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マリーは悲惨なことに物語の序盤で刺客キリルによって殺されることとなってしまいました。

しかし彼女は不審な男を殺そうと躍起になるボーンを「やめて」と懇願し止めようとします。

何故マリーがこの行動に出たのかを掘り下げていきましょう。

ボーンの心の内を知っていた

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まず一番の理由として、マリーはボーンの心の内を知っていたのではないでしょうか。

これは2年間世界中を転々としながらボーンがずっと悪夢に苦しむ様を見てきたことから生じています。

ボーンがずっと苦しみ悩み、そして戦い続けてきたのは何よりも自身がスパイであるという過去です。

もしここで不審な男を殺すという選択肢を肯定すればそれはボーンに一線を超えさせることを意味します。

ボーンが人間の心を失ってしまうことをこそマリーは一番恐れたのではないしょうか。

戦いの世界へ巻き込ませるきっかけ

そんなマリーの訴えとは裏腹にボーンは復讐に身を窶すのですが、ここに持っていく伏線ではないでしょうか。

ボーンは誰よりも戦うことを嫌った人間であり、少なくとも冒頭ではまたスパイになろうとは思いませんでした。

そんな彼を再び戦いの世界へ戻そうとするなら強烈な動機が必要となり、それがマリーの死だったのです。

作劇上の問題としてボーンに戦う決意をさせるために、マリーの訴えと死が必要という判断だったのでしょう。

案の定ボーンはマリーの仇討ちという闇を抱えて戦いの世界に身を投じることとなりました。

復讐の否定

否定弁証法

三つ目の理由として、ボーンに復讐という個人的感情に陥らせないことにあったのではないでしょうか。

上記したアボットを殺さなかった理由として間接的に機能していますし、刺客キリルも事故死という形です。

つまりボーンにとって殺したいと殺意を抱くほどの因縁の相手を安易に殺させていません

復讐を乗り越えるというテーマを完遂してこそジェイソン・ボーンのキャラクターは完成を迎えます。

その為の最初の小さな、しかし確実に大きな変化をボーンにもたらす伏線となりました。

アボットが自害したわけ

Stop!自殺

アボットはラストシーンでジェイソン・ボーンに言質を取られた後自害しました。

果たして彼が極限の戦いの末に自害したわけは何だったのでしょうか?

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