出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07TMRSMS9/?tag=cinema-notes-22

映画『12か月の未来図』はフランスのパロ郊外の学校教育を題材とした2017年公開の作品です。

オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル監督が元ジャーナリストの経験から実際の中学校を取材して作られました。

物語は『金八先生』のような教育崩壊の危機にあるクラスの立て直しという古典的手法です。

キャストには問題児となる生徒を中心にした学校教育の実態をありありと描いています。

本稿ではセドゥの一言の真意をネタバレ込みで考察していきましょう。

またカンニングを見逃す理由やレ・ミゼラブルに興味を持たせた理由も併せて見ていきます。

フランス映画版『金八先生』

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本作が問題にしている学力低下と教育格差ですが、これ自体はかなり前から問題視されていました。

日本では「金八先生」が第7シリーズでゆとり教育に伴う学力低下と教育格差を取り上げています。

しかし、本作の面白い所は決して生徒側だけではなく教師にも問題があるとしているところです。

本作の主人公フランソワ先生はそれまでずっと優等生の集まる一流の学校で教えてきた先生でした。

だから名前を覚えさせることや生徒を着席させ授業に入ることから苦労する経験は初めてだったのでしょう。

そこでそういう意味で本作はフランス映画版『金八先生』第7シリーズといえるかもしれません。

セドゥの一言の真意

寂しい生活

本作のラストは退学処分にもなりかけたセドゥからの「寂しくなる」との一言で締めくくられます。

万感の思いが籠もった一言でしたが、果たしてこの別れの言葉にはどのような真意があるのでしょうか?

彼とフランソワ先生との交流を振り返りながら考察していきましょう。

傷心した仲間同士

傷心のつくりかた

まず一つ目に挙げられるのが、フランソワ先生もセドゥも意中の人に失恋した仲間同士だということです。

フランソワ先生にはクロエ先生が、そしてセドゥもずっと好きだったワヤが居たのに振られました。

生徒と教師という関係でありながら、この一点においては対等な「仲間」だったのです。

生徒と教師は本来ドライでクールな距離感がベストですが、この二人はその中でも特別な関係でしょう。

だからこそ単純な上下関係に収まらない色気がここに感じられるといえます。

再会の約束

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二つ目にセドゥはこの後フランソワ先生の居るエリート学校へ行きたいという趣旨のことを口にします。

そう、実はここで描かれているのは「別れ」でありながら同時に「再会の約束」でもあったのです。

ポイントは二人とも「さようなら」という言葉を口にしておらず、どこか前向きさを感じさせます。

だからこの二人の関係は決して一年で終わらず、これからも続いていくのではないでしょうか。

どちらかといえば「さようなら」よりは「ありがとう」という言葉の方が似合う関係です。

「誰に教わるか」が一番大事

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そしてこの一言で分かるのは教育は「誰に教わるか」が一番大事ということではないでしょうか。

どこか斜に構えていて何も希望を見出せなかったセドゥがフランソワ先生との出会いで変わったのです。

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