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バッドマンことブルース・ウェインと、スーパーマンことクラーク・ケントがバトルする『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』。
ゾッド将軍とレックス・ルーサーjr.の血が合わさり、ドゥームズデイが現れたときは衝撃を受けました。とにかく強すぎます。
本作は、バットマンやスーパーマンに精通している人ならば、至る所でファンの心をくすぐるシーンがあります。
一方そうでない人にとっては、謎や不可解な点が多い内容だったかもしれません。というのも、まず冒頭のシーンからそれが見られます。
冒頭いきなり誰かの葬式のようなシーンで、少年が穴に落ち、次のシーンでは少年の両親が撃たれて亡くなりました。
また多くが語られないため、なぜバットマンとスーパーマンが戦うのかも、映画をさらっと観ただけでは分かりにくいものがあります。
今回はこの二点について考察していきます。
バットマンことブルース・ウェインの過去
冒頭の誰かの葬式で少年が穴に落ちるシーンと少年の両親が凶弾に倒れるシーン。
結論から言うと、こちらは本作の主人公の一人である、バットマンことブルース・ウェインの過去の描写になります。
遺体安置場に向かう二つの棺
映画冒頭のシーンでは、いきなり二つの棺が出てきます。その後、少年と両親が家路につく途中、両親が凶弾に倒れるシーンが続きました。
時系列が逆に紹介されていると考えると、すんなり理解できます。つまり、二つの棺は両親の棺なのです。
それが向かっている先は、ウェイン家の屋敷がある場所の近くにある小さな建物。これはおそらく遺体安置所です。
その後のブルースが夢を見るシーンで、その建物の母親の遺体安置場所からモンスターが出るシーンがありました。
つまり、冒頭のシーンは凶弾に倒れた両親の葬儀のシーンです。
コウモリとの出会い
葬儀の途中なぜか少年(ブルース・ウェイン)は、林の中に駆け出します。そして穴の中に落ちますが、そこでコウモリと出会いました。
コウモリは洞窟に住んでおり、暗闇の象徴であり、それがバットマンの象徴でもあります。
そのコウモリが、渦を巻くようにして少年ブルースを穴から救い出しました。
つまり、このシーンではこの少年がバットマンであることを示しているのです。
また、ウェイン家の家柄は作中で語られているように、先祖代々大富豪でありブルースは会社社長を務めています。
ブルース・ウェインの境遇と現状を端的に表す内容が、冒頭シーンには示されているのでした。
マーサへの伏線
スーパーマンがバットマンと戦うのは、育ての親であるマーサ・ケントが人質に取られたからでした。
一通り二人が戦った後、スーパーマンを制圧したバットマンは「マーサ」の言葉をスーパーマンから聞き、一気に映画の方向は変わります。
お前のせいでマーサが殺される
引用:バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生/配給会社:ワーナー・ブラザース
実はバットマンの母親の名前は「マーサ・ウェイン」。
そして冒頭の両親が銃で撃たれたとき、父親が妻を見つめながら妻の名前をつぶやいています。
これは、スーパーマンとの距離が一気に縮まるシーンへの伏線なのでした。
スーパーマンの正義
本編が始まるまでには、ブルースの過去だけでなく、大きな機械のようなものが街で破壊を尽くすシーンがあります。
そのシーンで登場するのが、後にブルースの会社員であり、レックスに渡された車いすの爆に巻き込まれるウォレス・キーフでした。
スーパーマンが一瞬だけ映る
実は冒頭の機械のようなものが暴れるシーンは、ザック・スナイダー監督の「スーパーマン」映画の前作『マン・オブ・スティール』です。
本作はその続編にあたり、冒頭のシーンでは一瞬だけ戦うスーパーマンが映し出されます。
そのスーパーマンと機械が戦闘を繰り広げた結果、ウォレス・キーフはがれきに足を挟まれ、歩けなくなったのです。
つまり本作を理解するために必要な、スーパーマンの過去(ほぼ現在)による問題点がこのシーンには示されています。