『ラブレス』のラストはアレクセイたちが住んでいた家の近くの川が寂しく映し出され、エンドロールへと流れていきます。

このラストの川のシーンは一体何を意味しているのでしょうか?

夫婦、親子の隔たりを意味する

川というものは陸地同士の間の水流を指します。よって陸地と陸地を隔てる境界線と考えることができないでしょうか。

ラストでアレクセイは失踪し、ジェーニャとボリスは離婚。それぞれ新しい生活を送っていました。

したがって夫婦、そして親子がバラバラになり隔てられている状況が示唆されていると考えらることができます。

アレクセイの死を意味する

三途の川の渡り方―「あの世」と「霊界」が見えてくる (カッパ・ブックス)

二つの世界を隔てている境界線として川のシーンが挿入されているとも考えられます。

日本でも「三途の川」は現世と死後の世界を隔てる境界線として有名です。

したがって生きているジェーニャたち死んでしまったアレクセイを隔てているのが川であるとも考えられないでしょうか。

川のシーンに登場するリボンが意味するものとは?

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物語の冒頭で、川の近くでアレクセイが空に投げたリボン。ラストの川のシーンでも、そのリボンが再度登場します。

このリボンにも何か意味があると考えられないでしょうか?

アレクセイの自由な未来を意味する

人生を自由自在に楽しむ本 (だいわ文庫)
冒頭でアレクセイが投げたリボンは空に舞い、どこかへ行ってしまいました。

よってこのリボンはアレクセイの自由な未来無限の将来の可能性を意味していると考えられます。

何物にも縛られずに空を舞うリボンはまさしく自由という言葉がぴったりでしょう。

家族の呪縛に縛られたアレクセイ自身を意味する

ラストとの川のシーンに登場したリボンは、木に引っかかって風になびいていました。

したがって両親のネグレクトの呪縛に縛られてどこにも行けなかったアレクセイ自身を意味していると考えられます。

また寂しく揺れているリボンが、失踪して1人となってしまったアレクセイを指しているとも考えられるでしょう。

DNA鑑定に反発した真意

DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで (ブルーバックス)

病院で、遺体確認をした際に、病院の医療従事者から持ち掛けられたDNA鑑定。

捜索隊のリーダーも勧めたにもかかわらず、ジェーニャとボリスは鑑定に反発しました。

ここではその真意について考察してみます。

無残な死体が自分たちの子供だと認めたくないため

まず初めに考えられるのが、確認した遺体がアレクセイであると認めたくないという理由です。

胸のほくろについて2人は言及していましたが、動揺をしている心理状態では見逃してしまっている可能性もあります。

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