最初からもうホリコの中で答えはもう既に決まっているのですから。
でもそれこそが潜在意識の部分で求めたホリコの答えだったのではないでしょうか。
タイトルの具現化
そして実はこの結末こそが本作において1番大切なタイトルの具現化となっているのです。
「キミだけにモテたいんだ。」というのは実は観客を引っかけるタイトルとなっています。
一見このタイトルは時夫をはじめ5人の高校生男子の心情であるかのような構成です。
しかし、実はここが罠でタイトルは他ならぬホリコこと堀ノ内早紀子の心情を表現したものでした。
どれだけ格好いいイケメンにモテても、本当に大切にしている後藤田駿にモテないと意味がない。
この構造を理解して初めて本作の内容の意味が理解出来るようになっているのです。
モテメン部の今後
さて、こうして物語はホリコと駿が結ばれる形で終わりましたが、優勝は逃すことになりました。
折角の500万返金の夢も露と消え、モテメン部自体の活動は一旦ここで終了となります。
ここではその今後について考察していきましょう。
廃部
まず最初に考え得る可能性としては廃部が挙げられます。
あくまでモテメン甲子園出場はホリコの借金返済という個人的事情に付き合わされただけです。
即ちホリコと後藤田駿以外の4人にとっては何の得もなく、続ける意味もありません。
元々がバラバラの男子達が急遽集められただけであり、期間限定のユニットです。
一時的に一致団結したとはいえ毎年恒例で続けたいなどとは思わないでしょう。
作品の結末から考えてみても可能性として現実的なのは廃部以外考えられません。
存続の場合
2つ目に4人が今後存続することも可能性として無きにしも非ずでしょう。
その場合はまず時夫かアシモのどちらかが部長となって牽引することが考えられます。
モテメン部なので直情径行のアシモよりやや尖ったクールな時夫の方がおあつらえ向きでしょうか。
幸太郎の場合は可愛すぎて統率力やカリスマ性がないし、亜紀は後ろで構える参謀役向きです。
存続の場合時夫とアシモのどちらかを中心に2TOP体制で引っ張ることになるでしょう。
OB後藤田駿&OGホリコ
3つ目に存続に関連させるとするなら、顧問は実質OBとなる後藤田駿ではないでしょうか。
4人に足りない女性にモテるためのスキルやコミュニケーション力を指導したのは彼です。
彼は立場的には4人と対等ではなく4人を引っ張り育て上げる立ち位置に居ました。
そして、ホリコもお嬢様でありながら女心を4人に叩き込むマネージャーになるかもしれません。
そのような想像の余地を与えてくれるのが本作の面白い所です。
優勝に足りなかったもの
ホリコと駿の恋愛物語としては結実したものの、優勝は逃すことになりました。
果たしてモテメン部には優勝するのに何が足りなかったのでしょうか?
理念
まずモテメン甲子園に臨む5人とホリコに欠けていたのは部全体の「理念」ではないでしょうか。
前述したように、時夫たち4人はあくまでホリコと駿の借金返済に付き合わされただけです。