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主演リーアム・ニーソンが会社をリストラされたマイケルを演じ、通勤電車内で数奇な事件に巻き込まれていく映画『トレイン・ミッション』。
『フライト・ゲーム』に引き続き、ジャウム・コレット=セラ監督は『トレイン・ミッション』においてもリーアムを主演としました。
サスペンス要素が多くありながらも、しっかりアクションシーンも盛り込まれた本作で最も気になるのは、黒幕の存在です。
結局この事件を引き起こさせたのは誰で、どんな目的があるのでしょう。
さらには、映画ラストでジョアンナに警察バッヂを見せます。実はあのシーンに、会話にはない重要な意味合いが込められていました。
そして冒頭で何度も起床するシーンも、疑問符がつく始まり方です。今回はこれらについて考察します。
黒幕はアメリカ合衆国政府?
実は本作の黒幕には、アメリカ合衆国政府がいる可能性があります。
それは、本作『トレイン・ミッション』ではなく、リーアム・ニーソンが主演を務める『ザ・シークレットマン』から見えてくるものです。
『ザ・シークレットマン』のリーアム
監督こそ違いますが『ザ・シークレットマン』のリーアムは、この作品の中で政府の闇をリークし続けるFBI副長官マーク・フェルトです。
真面目で正義を貫こうとするマークは、都合の悪い情報を隠そうとする政府から嫌われます。
最終的には、裁判にかけられFBIを守るため、マークはすべての罪を自らが被ることで有罪となりました。
つまりFBIという警官を辞めた男なのです。本作のリーアム(マイケル)も真面目な元警官。人物上の設定が、かなり酷似していいます。
ある意味本作は、『ザ・シークレットマン』で辞めた後の警官の「その後」とも考えられるのです。
ホワイトハウスがリーアムを煙たがる
マークは悩みながらも政府の情報をメディアに流し続けます。
当然大統領にとってそれは都合の悪い話であり、何とかしてメディアに情報を流している人物を特定し、消そうとするでしょう。
しかし公の組織であるがため、裏を通じてマークを消さなければなりません。
『ザ・シークレットマン』においては、大統領権力において人事異動や濡れ衣を着せたりして、マークを消そうとします。
本作でホワイトハウスは刺客を複雑に送り込み、マークや自分たちに都合の悪い情報を消すのです。
そして先述している『ザ・シークレットマン』は、アメリカにおける政治スキャンダル「ウォーターゲート事件」を基にしていました。
この事件をさらに深追いすれば、本作における黒幕が政府であることの可能性がより高く感じられます。
ウォーターゲート事件に見る黒幕の正体と目的
ウォーターゲート事件は以下のように紹介されています。
1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まったアメリカの政治スキャンダル。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ウォーターゲート事件
一言でいうと、ニクソン大統領が再選のためにさまざまな工作・権力行使を行い、民衆に弾圧された事件です。
この事件の内容を見ると、本作に酷似している内容も多く、このことから政府が黒幕であると予想されます。
民衆が最も疑問を感じるテープの存在
ウォーターゲート事件において、最もアメリカ国民が疑問を抱いたのが、会議で録音されたテープを大統領が公開しないことです。
そのテープの提出を特別検察官が命令すると、大統領は人事異動や大統領拒否権を行使し、テープの公開を妨害し続けました。
本作で「テープ」にあたるものが、プリンことソフィアが「エンリケの物」と言ってマイケルに渡した黒い箱のようなものです。
おそらくこれは、ハードディスクのように何かのデータを残すための物。おそらく政府にとって都合の悪い情報が入れられています。
エンリケを殺した警官、つまり家族を身代わりにされていたマーフィは、このデータを奪うために派遣されたのです。
まさに、ウォーターゲート事件のようなデータ(テープ)を巡る騒動は、政府が都合の悪いものを隠すための騒動なのでした。
FBIとCIAの戦い
実際のウォーターゲート事件の露見において、FBIとCIAの戦いが裏にあったと言われています。