ジョアンナが読む本は「THE COUNT OF MONTE CHRIST(日本題:モンテ・クリスト伯)」と書かれています。
この本は無実の罪を着せられた主人公が、自分をはめた人物に復讐をする物語です。
なぜジョアンナがこの本を読んでいるかというと、その主人公に自分自身を投影させているから。
つまり濡れ衣を着させられている主人公に共感しているのです。そこにマイケルは現れ、事件の首謀者がジョアンナだと語ります。
あなたに何ができるの?
引用:トレイン・ミッション/配給会社:ライオンズゲート
マイケルはそう言われて警官バッヂ(このバッヂはニューヨーク市警のバッヂ)を見せます。
つまりマイケルが伝えようとしていることは、「警官として、お前の復讐を助ける」ということなのです。
『モンテ・クリスト伯』では主人公は神父に情報を教わる
ジョアンナが読む『モンテ・クリスト伯』は、主人公が濡れ衣を着せられ送り込まれた刑務所で、神父に出会います。
その神父は、主人公を陥れた人が誰かを教えてくれる人物でした。
「人類行動学者」として人を動かすことに長け、復讐したいと思っているジョアンナ。
そんなジョアンナに情報提供するのは、ニューヨーク市警として内部から情報を届ける「マイケル・マーコリー」なのです。
こうなってくると、本記事冒頭で紹介した『ザ・シークレットマン』に似た流れとなります。
警官バッヂを見せるのは、これから始まるウォーターゲート事件の再現という意味なのです。
ウォーターゲート事件もFBIが活躍
先述したように、実際の事件であるウォーターゲート事件も、FBIの活躍が事件解決の糸口になりました。
政府を暴き出す警察組織。まさに、ラストで警官バッヂを見せるマイケルには、情報を暴き出そうとする姿勢が見られるのです。
その上で何かしらの作戦を進めるのであれば、誰かを動かす必要があります。その時に活躍するのが、人類行動学者ジョアンナなのです。
この二人がタッグを組むと、大きな力を生み出す「最強タッグ」なのは間違いないでしょう。
ジョアンナとマイケルの「復讐」が始まるのです。
冒頭シーンは10年間を表現
本作冒頭はマイケルが起床するシーン、起床後会社に行くシーンが何度も繰り返します。
よく見ると、同じシーンのようで日付違うようでした。つまり、これはマイケルの10年間の日々を表しているのです。
何日も同じような日々を繰り返し過ごしていることを表現するための一手法でした。
作中マイケルにしか持っていない強みとは何か。それは、10年間乗り続けた通勤電車での「顔見知り」の数でした。
マイケルが積み重ねたものの大きさを表すのが、違う日々の同じような通勤シーンなのです。
リーアム・ニーソン主演の意味
ジャウム・コレット=セラが監督をする『フライト・ゲーム』や本作『トレイン・ミッション』、さらに『アンノウン』など。
どの作品にもリーアム・ニーソンが出演しています。
そしてリーアムが主演という関連から、『ザ・シークレットマン』の内容やウォーターゲート事件との関連が大いにありそうです。
本作は事件とつながる場面が非常に多く、全く無視できないものであることには間違いないでしょう。
リーアムが出る映画は、考察ポイントが非常に多く、ファンの心をくすぐるものばかりです。