出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00L9MYF0E/?tag=cinema-notes-22
『パラダイス・キス』は矢沢あいの漫画を元にファッションと恋心を描いた恋愛青春映画です。
進学を目前とした学生たちの思春期を描くと共に、夢を追うクリエイターの卵たちの現実を描いているのがポイント。
ファッションを中心に魅せる映像の中で、外見と共に成長していくヒロインの姿からは等身大の勇気を貰えたような気持ちにもなります。
今回は、そんな作品の中から紫とジョージの関係性の変化に注目。
ショーの前にジョージから渡された指輪と台詞の意味を考えながら、「パラキス」の魅力に迫っていきます。
紫とジョージの関係は
学園祭のモデルとしてスカウトされた早坂紫(北川景子)が小泉譲二(向井理)に抱いた第一印象は「近寄ってはいけない人」。
自分とは正反対の異性にたいして抱いた危機感は、時間と共に変化していきます。
譲二に対する警戒心が薄れていった紫の気持ちはいったいどのように変化していったのでしょうか。
3年間憧れ続けた人
紫は、クラスメートの特盛浩行(山本裕典)に3年間片思いをしていました。
親しくなったことでアプローチをしたところで、徳森の反応はのれんに腕押し。
彼女が本当にやりたいことを見つけるまで、徳森の気持ちが紫に向くことはありませんでした。
そんな紫の気持ちは、新たな夢を見つけたことで譲二へと傾いていったのでしょう。
それまで恋心を抱いていた徳森からの告白を断り、彼女は新たな一歩を踏み出したのです。
変化する恋心
紫の恋心は、モデルと向き合うことで徳森から譲二へと移っていきます。
譲二は紫の存在を認め、彼女の新たな可能性を見出してくれました。
親からの重責を感じながら進学校に通っていた紫にとって、譲二の意見は新たな可能性を見出すきっかけを与えてくれたのです。
学業といったもの抜きで紫を見つめる譲二の目は、いつしか紫の気持ちを動かし始めました。
まっすぐで優しい徳森へ抱いていた恋心は、自分をまっすぐに見つめる譲二へと移り変わっていったのです。
夢を現実にする力をくれた人
そもそも紫は、親の期待に応えるために進学校に進み勉強していました。
そこに自分の夢や希望があったかといったら皆無だったといってもいいでしょう。
夢や可能性といった存在を忘れていた紫に、新たな可能性を与えたのが譲二でした。
彼女の瞳をまっすぐに見つめ、時に甘やかし時に叱咤したことで、紫の心は新たな一歩を踏み出せたのです。
自分の足で歩け
作中で繰り返し出てくるのが、譲二の「自分の足で歩く」というニュアンスの台詞です。