観た後に心になにか残り考えてしまうようなメッセージは全くないのが魅力の一つです。
この点はアメリカのギャグコメディから影響を受けているようで、一瞬だけのくだらない面白さを日本映画に積極的に持ち込みたいと考えています。
しゃべらない演技が大受け!
ここでは、しゃべらない演技が大受けした理由について考察しご紹介致します。
映画なのにしゃべらない演技、それは「桐島、部活やめるってよ」の桐島役が登場することないまま映画が終わるのと同じような新しさ、斬新さがありましたね。
しゃべらないのに評価されるという魅力にも迫ります。
斉木楠雄の冷酷なツッコミ
斉木楠雄は喋らないので、独り言を言ったり、物語のナレーションをしているような感じで進みます。
周りの状況に対して的確かつ冷酷にツッコミを入れることでクスッとしてしまいます。
それらは全て心の声なので無表情のままで、環境の変化もなく何事もなかったかのように進んでいきます。
それがシュールでありバカらしくもあり、「斉木楠雄のΨ難」の世界観を作っています。
妄想少女・照橋心美とのやりとり
斉木楠雄が喋らないのは、テレパシーで誰が何を考えているのかが分かるためです。
ヒロインである妄想少女・照橋心美とのやりとりが多いですが、思っていることが分かるので斉木楠雄がそれに伴った冷静な行動を取ることで笑いが起きます。
また、冷静なツッコミにも笑いが起きます。
思い通りにいかなかった時の照橋心美のリアクションでも笑いは起き、思い描いていた妄想でも視聴者はまたクスッとしてしまうのです。
そんな一連の流れの中に会話は一切ないですが、沢山の笑いが出てくるのです。
会話を行わずに恋愛のフラグをここまで木っ端微塵にへし折る…こんな映画は他にないでしょう。
まとめ
福田雄一監督の素晴らしいキャスティングと、斉木楠雄の喋らないという特徴を活かした笑いで、「斉木楠雄のΨ難」の実写化は成功を収めました。
この作品は福田監督が思い描く理想的な笑いを生み出すことができた作品だと思います。福田監督の作品には今後も目が離せませんね。