そこまで粘ってやっとケイトを「捕獲」。ハビエル同様に、絶対にサメがこのチャンスを逃すはずがありません。

撒き餌と血の匂い

The Shark サメたちの海へ

サメは血の匂いに敏感に反応します。まず、ケイトとリサの姉妹が潜水する直前、ハビエルは撒き餌を足していました。

当然この撒き餌は、サメをおびき寄せるためのもので、二回目の撒き餌でさらに多くのサメが寄ってきていると考えられます。

そこに、海底での事故による出血。状況から考えても、サメの食い気が非常に立っていることは容易に想像できるのです。

ケイトは殺された!理由3:リサの表情

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映画ラストで、リサが沿岸警備隊に助けられるシーン。

直前までは狂ったように笑っていたリサです。しかし、引き上げられて海面が近くなった最後の瞬間だけ、悲しそうな表情をしていました。

おそらくこれは、ケイトがいないことを嘆いているからです。

狂っているように笑っているにも関わらず、やはりケイトがいないことを的確に判断できていました。

つまり、その表情からケイトはもういなくなったことを表しているのです。では、そのリサはなぜ狂ったように笑っていたのでしょう。

助かった…という幻覚

本作ラストでは、結末についてのどんでん返しが待っていました。

2人の姉妹は助けられていなかったのです。それが分かったシーンでは、リサが狂ったように笑っています。

その笑いの理由とは何なのでしょうか。

二本目の酸素ボンベ

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本作で緊迫感を与える要素の一つとして、「呼吸に必要な酸素の残量が少ない」ということが挙げられるでしょう。

船長のテイラーは、予備のボンベをギリギリの状態になるまで姉妹のために落とそうとはしませんでした。窒素酔いを起こすからです。

リサ。聞こえるか?リサ、俺の声をよく聞け。窒素酔いで幻覚が起きてる

引用:海底47m/配給会社:エンターテイメント・スタジオズ

これは、リサがまさに狂ったように笑っているシーンでのテイラーのセリフ。

リサは二本目のボンベの使用によって、窒素酔いを起こしているのです。窒素酔いでは、幻覚が見えてしまいます。

リサが見ている幻覚は、まさに二本目のボンベを使用してからのすべての映像でした。

幻覚は二本目のボンベの使用直後から

ダイビングドキュメント 危機からの脱出55話 (月刊ダイバー別冊)

現実のシーンに引き戻された時のリサは、ゲージに足が挟まれていました。

一方二本目のボンベを使ったシーンの直後は、ケイトから連絡が入ったり、リサがゲージから足を引き抜くシーンです。

となると、時系列から考えてリサは二本目のボンベを使用した直後から、窒素酔いによる幻覚を見ていることになります。

幻覚の中でも、絶望的な状況から奇跡的に生き残るリサとケイト。何とか助かったと思ったからこそ、リサは笑うのでした。

振り切った緊張と恐怖と絶望

窒素酔いによる幻覚を見る中でのリサの笑いは、状況にはとても似つかわしくない「狂った」笑い方でした。

確かに幻覚内で助かりはしましたが、サメにつけられた傷などから考えると、どう考えても痛みに耐えるので必死なはずです。

にもかかわらず、笑う。しかも「狂っている」ように笑うのは、ストレスが振り切っているからでした。

そもそも恐怖に敏感

幻覚の脳科学──見てしまう人びと (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

そもそもケイトを誘ってリサが旅行に出たのは、彼氏にフラれたからでした。

しかもダイビングに出かけることそのもの、一時はダイビング中に感動はするものの、ゲージが落ちてからはパニック状態です。

初めてのダイビングであることから考えても、とても正常な精神状態を保っていられるはずはありません。