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映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』は2018年に公開されたシリーズ3作目の作品です。
1作目から『007』や『MI』など従来のスパイ映画のパロディ作品として制作され人気を博しています。
見所は何といってもローワン・アトキンソンのコメディテイスト満載の演技とアクションです。
とても歳をお召しになっている方とは思えない程のキレの良さは受け手を大いに笑わせ楽しませてくれます。
また『007 慰めの報酬』でカミーユを演じたオルガ・キュウリレンコが出演したことも話題を呼びました。
サイバー攻撃というネットテロを題材にヨーロッパを股にかけた任務が展開されます。
本稿ではジョニーの相棒にボフを選んだ意味をネタバレ込みで解説していきましょう。
またジョニーがスマホを取り違え理由やミサイル発射の理由も併せて読み解きます。
アナログVSデジタル
シリーズ3作目である本作が物語のテーマとして取り組んだのは「アナログVSデジタル」ではないでしょうか。
コメディベースで展開されていますが、意外とこれが無視出来ない要因であったりするのです。
ジョニー・イングリッシュは典型的なアナログ世代のスパイでデジタル機器の扱いは完全な素人でした。
スマートフォンは勿論のこと電気自動車・VR・タブレットなど何を扱わせてもダメなのです。
最大の敵がスパイではなくデジタルというスパイアクション映画は今までになかったでしょう。
本作はそんなアナログ世代の人間がデジタル世代とぶつかり格闘していく物語といえます。
相棒にボフを選んだ意味
本作ではジョニー・イングリッシュは既に引退して小学校の地理の教師をしていました。
そんな中任務のために呼び戻され、元相棒のボフと共に任務に当たります。
他にも3人程相棒の候補は居たのですが、ここで相棒がボフである意味を考えてみましょう。
アナログ世代の象徴
まずジョニーもボフもアナログ世代の象徴であるという意味がはっきりとあります。
ジョニーのみならずボフもまたデジタル機器の扱いは苦手だったのです。
特に前半ではそれ故に普段であればやらないようなミスをやらかします。
これがもしデジタル機器の扱いの相棒であったとしたら話は成立しません。
あくまでもアナログ世代のスパイがデジタル機器に奮闘するから面白いのです。
まずこの2人にすることで本作のコメディとしての土台が出来上がりました。
消去法
2つ目にボフが相棒に選ばれたのは実は単なる偶然の出来事だったのです。
他にも3人のスパイ候補が居たのに、ジョニーがここで悪癖を発揮してしまいました。
それは何でも小道具をいじってしまう癖で、まず女性秘書をモンブラン弾なる吹き矢で眠らせます。
更にその後同じように引退したスパイ候補2人が誤作動を起こした催眠爆弾で眠ってしまったのです。
お茶目では済まされないジョニーのいたずらによって3人の候補が戦えなくなってしまいました。
だから消去法でなし崩しにボフが相棒として選ばれることになってしまったというわけです。