出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B06XWGMVSN/?tag=cinema-notes-22
映画『ビューティー・インサイド』は2015年公開の韓国映画です。
監督は本作がデビューとなるペク・ジョンヨル、主演にはハン・ヒョジュを据えて制作されました。
毎日目覚めるたびに体が変わる男キム・ウジンの中身が外見ごと変わっていく様は面白いトリックです。
パク・ソジュンや上野樹里まで出演したことも話題を呼び、飽きさせない工夫が凝らされています。
完成度も高い良質の恋愛ドラマである本作は以下を受賞しました。
第36回青龍映画賞:編集賞(ヤン・ジンモ)
第52回大鐘賞:新人監督賞(ペク・ジョンヨル)引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ビューティー・インサイド
ウジンとイス、秘密を抱えた2人の恋は周囲の視線によって混乱していき、大きな波乱を生み出します。
本稿ではウジンの顔が毎日変わっていく理由をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、好きな人のためにすることやウジンとイスの今後などについても併せて見ていきます。
違う自分になるということ
本作全体の大きな特徴はウジンが体現している「違う自分になる」ということです。
これは役者が違うキャラを演じるのとウジンの体が毎日変わることの二重構造となっています。
誰しもが1度は「違う人になることが出来たら…」と思ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、その違う人が必ずしも美男子ばかりではなく太った中年男性や女性の可能性もあるのです。
しかもウジンの毎日変身は自分の意思ではコントロールが不可能であり、誰になるか分かりません。
違う自分であるとはどういうことかを突き詰めたドラマは何を伝えてくれるのでしょうか?
ウジンの顔が毎日変わっていく理由
ウジンの顔は千差万別で毎日体のサイズも年齢も国籍も全てが変化していきます。
文字通りの「七変化」であり、中には日本人の上野樹里も演じているのですから驚きです。
果たしてウジンの顔はどうして毎日変わっていくのでしょうか?
父からの遺伝
結論からいえば、この七変化は父親から継いだ遺伝であることが母から明かされました。
自分の意思でコントロールすることは出来ず、何者になるかは目覚めないと分かりません。
だからこそ死ぬまでずっとその体と付き合うウジンの苦悩に説得力が出るのです。
本作で重要視されているのは原因や解決策ではなく「どう向き合うか」ではないでしょうか。
そういう意味ではウジンの七変化は遺伝性の難病のようなものかもしれません。
美男子への憧れ
遺伝性の病気とはいえ、決してこの七変化を楽しんでいなかったわけではありません。
ウジンはイスをデートに誘う時必ず美男子(イケメン)になる日を選んでデートしていました。
これは即ちウジンは潜在意識の内に美男子への憧れがあったのかもしれません。
世の男性なら誰でもそうかもしれませんが、ウジンは特にその傾向が強かったのでしょう。
2度目のデートの時は美男子な自分を保つために3日も寝ないでその姿を保ったほどです。
それ位彼の中では見た目へのこだわりが強かったことが窺えます。
自信がない
ウジンがイケメンに憧れているのは裏を返せば自分に自信がないことの表れです。
たとえ姿形が変わったとしても自信があれば誰にも臆せず接することが出来ます。