最後の作品から2年後に公開された本作は、初代の構成をそのままに人形の設定を大きく変更。
呪われた人形から最新型のAI人形へとその姿を変えました。
従来のチャッキーは生まれた瞬間から殺人鬼だった
過去のシリーズ作のチャッキーは、プードゥーの呪術を使ったいわゆる呪い人形です。
死亡した殺人鬼チャールズ・リー・レイの魂を人形に宿したことでチャッキーという人形が完成。
アンディの親友としてではなく、アンディの肉体を奪うという目的のために殺戮を繰り返します。
登場人物の設定は本作と同じであるものの、根底となるチャッキーの設定が大きく違うため物語に救いは感じられません。
息子を信じられなかった母親の存在も大きく、救いのない恐怖が詰まった作品となっていました。
バディ人形はきれいなチャッキー
その後の映画シリーズではチャッキーの妻も殺人人形になるなどコミカルな展開を見せましたが、本作では新たなチャッキーが誕生。
悪意を教えられない限りは無垢な子どものような、AI人形チャッキーが登場したのです。
さらに、デジタル化により誕生した新チャッキーは、仲間であるバディ人形やおもちゃをコントロール。
多数の人形やおもちゃが人々を襲うシーンを取り入れることで、パニック映画要素といった新たな魅力も追加したのです。
ホラー映画のドラえもんともいえる作品
「チャイルド・プレイ(2019)」においての注目ポイントは、なんといっても子ども同士の友情シーン。
母親が子供を信じない過去作品のインパクトを残したまま、友達だけがアンディを信じるという友情を取り入れたのが印象的です。
子どもたちの友情が止まらない
ストーリーの中で面白いのは、引っ越し先で知り合った友達がアンディの発言を全て信じてくれるところです。
暴走したチャッキーを壊れたドラえもんとして考えると、アンディはのび太に。
パグはジャイアン、ファリンはしずかちゃんに置き換えると、後から飛び入りしてくるオマーはスネ夫ポジションでしょう。
オマーのバディ人形がチャッキーであると気付いた彼らは、アンディを守るために立ち上がり共に行動してくれるようになります。
アンディのために子供たちが一丸となって行動するバディ2発売会場は、まるでドラえもん映画のボス討伐シーンのよう。
ホラー映画でありながら友情に感動させられる名作ホラーとなったのです。
子どもには見せられない名作ホラー
トーリーの要は、子ども同士の友情とチャッキーとアンディの友情です。
子どものことを愛しながらも信じ抜けない母親との関係も見どころではありますが、アンディの心を救ったのはやはり友だちの存在。
子ども達の友情シーンは、ホラー映画の恐怖と共に全く別の感動も与えてくれました。
しかし残念なことに「チャイルド・プレイ」はR15指定作品。
友情シーンはあるものの、下品な表現とグロテスクな描写は少年少女には決して見せられないものです。
子どもから大人まで楽しめるようなストーリーだからこそ、年齢制限が惜しいと感じてしまう名作ホラー映画といえるでしょう。