自分たちが色々あるように、大人にも色々ある。

親も人間だから完璧ではないんだ、と和希に教えたのです。

子供は親を完璧でいて欲しいと思うものです。

しかし、同じ位置に立って覗いてみると親も完璧ではなく欠点が多々あります。

和希は春山の言葉を受け、親を一人の人間として見ることが出来たのでしょう。

和希が成長したから

和希は親の愛に飢えた子供でした。

しかし親元を離れトオルたちの恋愛を見て、春山を愛し一歩ずつ大人になっていったのです。

子供の目線ではなく、宮市和希というひとりの大人の目線で母親を見ることが出来たのかもしれません。

ずっと好きな人と一緒になれなかった女性、好きな人と離れられない女性…。

そんな母親に再婚許可を出したのは、和希の方が一歩先行く大人になった瞬間なのかもしれません。

俺がいなきゃなんも出来ないような女になるな

俺のことなんかいつでも捨てれる女になれ

そんでも俺が追っかけていくような女になれ

引用:ホットロード/配給会社:松竹

春山がいった上記のセリフはいい女の条件ともとれるセリフです。

しかし母親は鈴木がいないと生きていけないような女性であり、弱い女性として描かれていました。

和希は春山に愛されたことで、心に余裕が生まれ広い視野で世界を見ることが出来たはずです。

だからこそ、母親の再婚を受け入れることが出来たのでしょう。

和希の夢の意味

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ラストシーンで和希は自分の夢を語っていました。

彼女の夢にはどんな意味が隠されているのでしょうか。

命をつなぐということ

三木孝浩監督の本作では「命」がひとつのテーマになっています。

簡単に散ってしまう命があることを劇中で語っていましたが、春山は奇跡的に命をつなぎました。

春山の赤ちゃんのお母さんになりたい

引用:ホットロード/配給会社:松竹

和希が持った赤ちゃんを産むという夢は、命をつないでいくことになります。

不良と呼ばれる10代の子供たちは、死と隣り合わせの生き方をしています。

14歳で中学生の和希の側にも「死」は転がっているのです。

そんな生き方をしてきた彼女が、新しい命を望んでいることは大きな意味を持つのではないでしょうか。

求め続けた「ママ」になること

和希は母親のことをずっと求めています。

自分がずっと憧れ求めてきた愛を、自分たちの子供に注ごうとしているのです。

春山に愛をもらった彼女は、愛されることの大切さを知っています。

自分の子供に沢山の愛を与えたいと思っていたことでしょう。

通過点であったということ

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