出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07JVRKJYG/?tag=cinema-notes-22
2010年公開の『親愛なるきみへ』はニコラス・スパークスの小説「きみを想う夜空に」が原作です。
原題は映画も小説も「Dear John」となっており、邦題とは大きくかけ離れています。
本作を読み解くには、アメリカとのカルチャーギャップにも注目する必要があるのではないでしょうか。
劇中でのキーワード「すぐに会おうね」の意味を徹底考察していきましょう。
なぜサヴァンナはティムと結婚したのか、匿名で寄付を送った真意は何か、隠された真実の愛に迫ります。
すぐに会おうねの意味
自閉症や9.11テロ、恋愛や紛争そして死など本作は沢山の要素が詰め込まれています。
しかしいずれも特別なことではなく、身近にある出来事なのです。
そんな生活の中、なぜサヴァンナとジョンは「すぐに会おうね」の言葉を繰り返していたのでしょう。
言葉遊びのような感覚だった
はじめて二人が出会った時、別れ際に言ったのが下記のセリフです。
すぐに会おうね(I’ll see you then)
引用:親愛なる君へ/配給会社:スクリーン・ジェムズ
thenをつけるニュアンスは、その時にまた必ず会うという意味になります。
出会ったばかりの二人は、これっきりにしないという意味を込めてこのセリフを使ったのでしょう。
それが偶然にも二人のお約束の挨拶になっていきます。
一緒に過ごす時間の中で、片時も離れたくないという気持ちが伝わってきます。
会えないからこその言葉
チャニング・テイタム演じるジョンが戦地へ行くことになってからは、会いたいという思いを込めて使っていたのでしょう。
1年という期間は長いけれど「すぐに会おうね」と別れることで、二人の距離は縮まっていたのかもしれません。
また戦地へ行くジョンに、必ず生きて戻ってきて欲しいという思いもあったことでしょう。
二人の辛い心を隠すための言葉だったとも取れます。
いつもの言葉を口にしない意味
サヴァンナとジョンは別れた後に再会していますが、その時ジョンは「すぐに会おうね」の言葉を飲み込みました。
彼は戦地で別れの手紙を受け取った時に、サヴァンナへの気持ちを封印しています。
ティムとの結婚写真を目にした時、心の中にわずかに残っていた淡い思いにも蓋をしたのです。
おそらくジョンが思っていたサヴァンナの相手は、ランディだったのでしょう。
しかし相手がティムなら、身を引くしかないと感じたのではないでしょうか。
「すぐに会おうね」の言葉を口にしなかったのは、自分の心にブレーキをかけるためです。
ティムと結婚した理由
劇中にはサヴァンナとティムの甘い生活は描かれていませんでした。