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映画『ファイティング・ファミリー』は2019年に公開されたアメリカ・イギリス合作の伝記映画です。
監督はスティーブン・マーチャント、主演のサラヤ・ジェイド・ベヴィスをフローレンス・ピューが務めています。
更にジャック・ロウデン、ニック・フロストなど脇役も個性豊かでドウェイン・ジョンソンは何と本人出演です。
プロレスの本場アメリカのWWEを目指し奮闘するサラヤ・ジェィド・べヴィスとその家族の物語です。
実話でありながらも非常に分かりやすい王道のエンターテイメントとなっており、万人向けといえるでしょう。
本稿ではサラヤとザックがWWEを目指す理由をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、ザックが妹を叱咤した理由や一家が戦っているものなども併せて見ていきます。
マイノリティな家族の物語
本作の主役である”ペイジ”ことサラヤ・ジェイド・ベヴィスは非常に特殊な家系の人でしょう。
一家全員がプロレスで育ちプロレスで生計を立てる、というかプロレス以外の人生がない家族です。
それ故にレスリングにかける情熱やプロレスラーとしての自負心は並のものではありません。
しかし、そのような家庭環境故に世間からは理解されず、中々認知して貰えない苦しみがあります。
また、ザックがそうであるように婚約者の家族には警戒されるという人間関係のトラブルが多いのです。
ここまで行くともはやマイノリティ(少数派)と断定してもいいレベルではないでしょうか。
そんなマイノリティな家族が切り拓いた道の先に何を見出すのかを考察していきましょう。
サラヤとザックがWWEを目指す理由
本作はサラヤとザックが二人三脚でWWEを目指す成長物語として物語が描かれています。
レスリングの家系に生まれたとはいえ、それだけではレスリングを目指す動機とはなりません。
ここでは物語の流れから2人がWWEを目指す理由を掘り下げていきましょう。
幼少期に見たテレビ番組
最初の動機は物語序盤で描かれたWWEの王者ロックというテレビ番組です。
ザックはこの番組を見て興奮しサラヤと喧嘩になりかけ、父がそこに乗っかったことが始まりでした。
ここでの大事なポイントはサラヤが乗り気ではなかったことと父が喧嘩を止めなかったことです。
サラヤは幼少時女の子らしい女の子であり、父はプロレス技を子供達に教えています。
もしここで父が子供達の喧嘩を止めたり、好きなものを遮ったりしたらプロレスの道はなかったでしょう。
幼少期の原体験はそれ位後々に大きく影響する出来事であり、ここで子供の自尊心を潰さなかったのです。
まずこのスタートラインがしっかり成功したことが大きいのではないでしょうか。
兄が居たから
2つ目にサラヤ個人の動機で見ていくと、彼女は兄への憧憬があったからWWEを目指したのです。
それが物語中盤において性格的欠点・短所として出てしまうことになります。
WWEへのトライアルテストを受けた時、サラヤだけが合格しザックは不合格となりました。
余りにも理不尽な現実にサラヤは兄が一緒でなければ行かないと駄々をこねてしまうのです。
そうした雑念がネガティブエネルギーを形成してしまい、彼女は1度WWEの厳しさから脱落してしまいます。
サラヤのレスリング人生は兄への憧れありきだったということがここで判明するのです。
婚約者のため
3つ目にザックがプロレスラーを目指した理由は婚約者と婚約者の家族の為ではないでしょうか。
婚約者の家族は絵に描いた常識人で、プロレスのこともまともに勉強もせず差別と偏見で見下します。