父は父なりに若い頃勉強して沖縄の様子を内外から俯瞰して見てきたことが窺えます。
その体験談から、沖縄がそう簡単に変わることはないのだということを訴えたかったのでしょう。
しかし、時代が変化していけば価値観や生き方だって変わって当たり前なのです。
父達の時代がそうだったから娘達の時代もそうであるというわけではありません。
舞達の様子を見てそのことに無意識で気付いたからこそ直すといったのではないでしょうか。
慎司の姿が見えた理由
紆余曲折を経て亮多達はライブを始め、ラストは根間の粋な計らいでライブを行うことになりました。
そこに何故か事故死した筈の慎司の姿が見え、3人に静かに微笑んでいたのです。
このような演出がなされた理由を考察していきましょう。
慎司の死を乗り越えた
1つ目にこの演出は序盤の慎司の事故死と対比になっているのです。
慎司がなくなった時、亮多をはじめメンバーは誰1人として彼の死を受け止められませんでした。
そんな彼らがバンドとして様々な挫折や逆境を経験することでいつの間にか強くなっていたのです。
その成長の証として亮多達は自然に慎司の事故死を受け止められたのではないでしょうか。
慎司の穏やかな表情は3人の晴れやかな気持ちの現われとなっているのです。
慎司の詩こそが大切
2つ目に亮多達がこうしてヒットした中心にあったのは慎司の書いた詩があってこそです。
慎司の書く繊細ながらも大胆な詩があったからこそ亮多達はここまでやってこられました。
東京へ来るかというプロからのスカウトが来たのもやはり大事なのは慎司の歌詞にあります。
それ位メンバーは慎司は紡ぎ出してくれる魅力的な言葉の数々を頼りにしていたのです。
そんな慎司を今でも大切に思っているメンバー達の熱く深い思いが込められています。
リサが引き寄せてくれた
3つ目にそんな慎司の魂をリサが引き寄せてくれたことも大きいのではないでしょうか。
慎司が事故死したと思しき原因は彼が米軍基地にいるリサと関わったからでした。
米軍基地内に居る者と接触したことで慎司は不運にも目をつけられたのです。
だからこそ、リサは自分のせいで慎司が事故死したと負い目を感じていたのでしょう。
警官の護衛つきという条件の上で尚見に来てくれたリサの行動力が慎司を引き寄せたと推測されます。
音響を準備した大輝の想い
順番は前後しますが、上述した舞の父がギターを砕くシーンの背景にあったのは無許可のライブ活動でした。
事前に禁止されていたことを承知の上で尚大輝はメンバー達の為に音響を準備していたのです。
ここではそんな彼の粋な計らいに込められた想いを考察していきましょう。
メンバー達に火をつける
まず大輝の中にあった想いは教師達に禁止されて不満をため込んでいるメンバーに火をつけることです。
自身も含めて教師達に禁止されたからなどという理由で納得出来るメンバー達ではないでしょう。