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映画『エンド・オブ・キングダム』は2016年公開の作品で『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編です。
監督はババク・ナジャフィへ交代し、主演は前作と変わらずジェラルド・バトラーが務めています。
イギリスの首都ロンドンの同時多発テロを舞台にアメリカ合衆国大統領護衛を行う物語です。
テロリストを相手にした銃撃戦や爆破のアクションシーンは前作からパワーアップし見応えがあります。
本稿ではラストでマイクが辞表を削除した理由をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、ジャクリーンがMI5長官を射殺した意味とテロの目的も併せて見ていきます。
復活した完璧超人型ヒーロー
本作最大の特徴は何といっても復活した完璧超人型ヒーローのマイク・バニングでしょう。
前作「エンド・オブ・ホワイトハウス」より遥かにその超人ぶりに磨きがかかっています。
舞台をイギリスに移し、マイク1人で頑張らざるを得ない状況が増えたからです。
また、家族のことで葛藤を抱えることはあっても、敵のテロリストには一切容赦しません。
この清々しい程敵に容赦のない勧善懲悪ぶりもまたマイクの魅力となっています。
あっという間に駆け抜けるマイク・バニングの物語が伝えてくれることを考察していきましょう。
辞表を削除した理由
マイクは冒頭のシーンで、妻の出産が転機となって辞職を決意します。
しかし、ラストで彼は辞表を削除し続けていく決意へと切り替わりました。
ここではその理由について考えてみましょう。
クラークソン首相のテレビ演説
まず1つ目にクラークソン首相のテレビ演説が理由として挙げられます。
あれだけ多くの人が死にロンドンは壊滅的被害を受けたにも関わらず頑張って復興しているのです。
そんな職場で頑張る人たちの姿を見て、簡単に辞めてしまってはいけないと思えたのでしょう。
イギリスでは多くの人が大事な人を失った悲しみを乗り越えて前に進んでいます。
ここでマイクが辞めてしまうのはクラークソン首相をはじめイギリスの人たちを裏切る行為です。
そのような裏切りは絶対にしないという誓いではないでしょうか。
シークレットサービスの女上司
2つ目にマイクは生まれてきた自分の娘に尊敬するシークレットサービスの女上司の名前をつけました。
これもまた気持ちとしては現状維持で今の仕事を続けたいということだったのでしょう。
もし本気で辞めることを考えていたならば、仕事で関わった人の名前はつけない筈です。
そこにはやはりまだ自分が仕事人として出来ることがあるという思いがあったと推測されます。
娘にその名前をつけた時点でマイクはシークレットサービスで生きていくことを意味するのです。
ジェイコブスの最期
そして3つ目にジェイコブスの最期を見届けたこともまた大きかったのではないでしょうか。
職場の同僚の死を見て、本当に運命の差が生死を分けることもあることを知りました。
マイクにとって何より怖かったのはテロリスト以上に自分の身近な人の死でしょう。