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『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』、不思議なタイトルに惹かれた方も多いのではないでしょうか。
Yahoo!知恵袋に投稿されたブログをもとに漫画を原作としており公開前から大きな話題を呼んでいました。
前半のコメディチックな展開から思いもよらなかった感動のラストまで目が離せない映画でしたね。
しかし、作品の鍵である死んだふりの理由は観客に委ねられたまま幕を閉じました。
ここでは重要なセリフ、「月がきれいですね」の意味を含めこの映画の本質に迫ってみましょう。
なぜ死んだふりをしていたのか
榮倉奈々演じる加賀美ちえは夫が帰宅するたびに死んだふりをして待ち構えていました。
この「死んだふり」にはどんな意味や理由があったのでしょうか?
結婚の時の約束を忘れさせないようにするため
結婚の時にちえが夫であるじゅんに約束してもらったのが「自分より先に死なないこと」。
そんな約束を忘れさせないために死んだふりをしていたと考えることができるでしょう。
さらに自分の死を悲しいだけでなくコミカルなものにするため夫へ擦り込んでいたとも考えられます。
夫婦で過ごす時間を大切にするため
他に考えられる理由としては夫婦で過ごす時間を大切にするためです。
ちえは夫と過ごせる残りの時間を計算しているシーンがありました。
ここからも、ちえが2人の時間をとても大切に想っていることが伺えます。
死んだふりをして寸劇もすることで夫婦の時間を楽しく過ごすことが目的の1つと考えてもよいでしょう。
大切な家族を笑顔にするため
ちえは幼少の頃、父親の帰宅をコスプレをしながら隠れて待っていたことが明らかになりました。
その時のエピソードから、大切な家族を笑顔にするため死んだふりをしていたと考えられます。
仕事の疲れや3年目の結婚の区切りなどでじゅんは笑顔が少ないとちえは感じたのではないでしょうか。
どんな状況でも一緒にいるということを伝えるため
また死んだふりをしていても、実際に死んではいないのでちえは必ず生き返ります。
したがってちえはどんな状況でもじゅんと一緒にいるということを伝えたかったのではないでしょうか。
また、死ぬまで一緒に生活を共にし、自分の死を看取ってほしいとちえは思っているのでしょう。
I love youを伝えるため
ちえは死んだふりをすることで愛しているということを伝えていたのではないでしょうか。
二葉亭四迷は「I love you」 を「死んでもいいわ」と訳したというエピソードは有名です。
実際に死ぬことはできませんが、死んでもいいと思うほど愛しています。
死んだふりにはそういったメッセージが込められていたと考えられるでしょう。
「月がきれいですね」と答えた意図
ちえはいくつかの場面で夫であるじゅんへ「月がきれいですね」と答えていました。
このセリフはどのような意図が隠されているのでしょうか?