田舎の遊園地を見下し、同僚と馴染もうとせずただ仕事をクリアするだけの彼女には人を楽しませる企画を作ることは出来ないでしょう。
久瑠美はまだ子供だった
企画書を無視した背景には、久留美の人間としての未熟さも関係していたといえるでしょう。
彼女はやりたい仕事が出来なくて、上司である小塚に文句をいっています。
当初の彼女は仕事を楽しむことが出来ずに、自ら馴染もうともしていないのです。
劇中に彼氏が会いに来ていますが、彼の行動はまさに来たばかりの久留美の姿だったのです。
ここで観る者は双方の言動を比較して久留美の成長を感じるのではないでしょうか。
風船サプライズ企画の狙い
本作は、至る所に遊園地でテッパンのアイテムともいえる風船が登場しています。
ラストシーンの風船サプライズ企画は何を秘めているのでしょう。
風船は魔法のアイテム
風船は劇中で大きな意味を持つものです。
初めに登場した時は、迷子の子供を引き付ける為に使用されています。
更に、久瑠美が子供にもらった風船は彼女の頑張りを認めてもらった証といえるでしょう。
風船は本作に置いて幸せと笑顔、そして魔法の象徴といえるアイテムなのです。
小塚に皆の笑顔を見せてあげたかった
笑った顔を想像してみろ、それをどうやったら作れるか考えて見ろ
引用:オズランド 笑顔の魔法おしえます。/配給会社:HIGH BROW CINEMA,ファントム・フィルム
新企画で悩む久留美に園長がかけた言葉です。
久留美は小塚の笑顔を想像し、彼がどうしたら笑顔になれるのかを考えたのでしょう。
結果、お客さんの笑顔を小塚に見せることを企画したのです。
風船を見上げたお客さんたちの笑顔は、小塚を幸せで満たしてくれたはずです。
小塚の言葉は伏線
世界一になったら嬉しいだろ
引用:オズランド 笑顔の魔法おしえます。/配給会社:HIGH BROW CINEMA,ファントム・フィルム
遊園地に来る人達の笑顔の為に世界一の遊園地を目指していた小塚ですが、これは風船サプライズの伏線になっています。
風船サプライズ企画には、世界一と呼べる企画をプレゼントしたいという久留美の想いが詰まっていたのです。
小塚が魔法使いといわれる理由
劇中、小塚は魔法使いといわれていますが、彼はなぜ魔法使いといわれていたのでしょうか。
後輩への指導力
小塚はいつも笑顔でまるで魔法をかけるように新人を導いていきます。
ゴミ拾いに文句をいった久留美に対しても、怒ることはせず下記のようになだめていました。
どこに何があるかとか自然に覚えるはず、でもズルしてちゃ覚えられないな
引用:オズランド 笑顔の魔法おしえます。/配給会社:HIGH BROW CINEMA,ファントム・フィルム
この言葉には、優しさと厳しさが同居しているように感じます。
彼の後輩たちは、まるで魔法にかけられたようにどんどん仕事を覚えていくでしょう。
劇中でも少し語られていましたが、小塚も元々久留美のように笑顔のない人物だったようです。