そして何よりもこの結末で示されているのは「精神一到何事か成らざらん」ではないでしょうか。

パピヨンは置かれた状況がどうあれ、最後まで諦めることはありませんでした。

仲間に裏切られても、刑務所に連れ戻されても、独房に入れられても決して諦めません。

心が負けない限り、負けたと弱音を吐かない限り、パピヨンは決して負けてはいないのです。

試行錯誤の末に脱出を果たして見事に自由を勝ち取ったパピヨンは鋼の精神力の持ち主でしょう。

最後まで「脱出したい」という想いを持ち続けた行動し続けたからこそ、最後で実を結んだのです。

ドガが脱獄しなかった理由

パピヨンが脱出出来た裏には相棒であったドガの存在が欠かせません。

友情にも似た絆を持った2人でしたが、ドガは何故か脱獄しなかったのです。

ここではその理由について読み解いていきましょう。

妻と弁護士の裏切り

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1番大きな理由としてあったのは妻と弁護士の裏切りだったのです。

ドガは決して脱獄したくなかったわけではなく、過程ではかなり意気込んでいました。

そうでなければ偽札でだまくらかそうとしたり、脱出方法をパピヨンに教えたりしません。

直情径行なパピヨンにとってドガの冷静沈着な参謀ポジションは大きな支えとなりました。

しかし、それはあくまでも妻と弁護士が諦めずに支えてくれたからこそです。

それが終盤で、2人がドガを見捨てて結婚するというとんでもない憂き目に遭いました。

ドガはもうこの時点で脱獄する意味を見失ったのではないでしょうか。

片足切断

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2つ目にドガは物語後半でピジョン島を離れた時に足の怪我が悪化して壊死状態となりました。

ここで片足を切断せざるを得なかったことが大きいのではないでしょうか。

ただでさえ1度捕まったら出るのは難しいのに、5体のうち1つを失ったのですから尚更でしょう。

片足を失った時点でドガはパピヨンを脱出させることだけを考えたものと推測されます。

それ位脱獄して自由な人生を歩むことはリスクを伴うのです。

罰を受け入れる

パピヨンとは違い、ドガは自ら意図的にお金を偽造していたからです。

そこが冤罪によって島流しにされたパピヨンと決定的に違った所でした。

パピヨンは何度も裏切りに遭っても、自らそのような不義理を働いたことはありません。

だからこそ彼は自由を主張し勝ち取る権利があることが示されています。

一方ドガは自身の意思で罪を犯した以上素直に罰を受け入れる他はないのです。

パピヨンの脱獄を援助はしても、自分には脱獄の資格はないと思ったのでしょう。

2人が互いを裏切らなかった理由

継続は、だれも裏切らない

パピヨンもドガも「裏切り」の人生で、他者を裏切りもしたし他者に裏切られもしました。

しかし、そんな2人が何故かお互いだけは1度も裏切ったことがないのです。

犯罪者同士だから裏切りがあってもおかしくないのに何故でしょうか?

ここではその理由について紐解いていきます。

看守から身を呈して庇った

最初のきっかけは物語の前半でパピヨンがドガを命がけで守ってくれたことでした。

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