出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B077G34GNG/?tag=cinema-notes-22
「ドリーム」は、1960年代のNASAで研究に携わる3人の黒人女性の実話を元に作られた作品です。
人種差別の強い時代にドロシーは何を主張していたのでしょう。
そして白人男性社会で成功した3人の黒人女性の姿が印象的です。
彼女達の成功の裏には何が秘められていたのか深く考察していきます。
更に劇中では詳しく語られなかったオイラー法とは何を解いたものなのか詳しく見ていきましょう。
ドロシーの持つ人種差別への主張
本作に登場するドロシー・ボーンは、黒人という差別と女性という差別を同時に受けています。
彼女は本作品の中でどんなことを主張していたのでしょう。
黒人分離政策は差別の一環である
1868年に黒人の市民権は憲法修正第14条によって認められました。
しかし南部を中心に黒人分離政策が法的に進められていったという黒い歴史が背景にあります。
ドロシーはこの黒人分離に対して下記のセリフを残しています。
分離しても平等はない
引用:ドリーム/配給会社:20世紀フォックス
黒人は奴隷解放宣言によって奴隷ではなくなったとしても、根強い差別は残り日々の暮らしさえも脅かされています。
法をかいくぐって出来たとも言われている南部の黒人分離政策は、黒人差別の延長上にあったのです。
そして1890年には隔離はしても平等というプレッシ―判決が法的に認められています。
ドロシーはこの判決に異議を唱えていたのでしょう、差別は終わっていないと主張しているのです。
平等に生きている
税金は払っているのだから自分が購入するのと同じ
引用:ドリーム/配給会社:20世紀フォックス
ドロシーのいったこのセリフはまさに、彼女の主張そのものです。
同じように税金を払い、同じように生きているのだから、同じことをするのが当然権利なのです。
黒人女性が成功した理由
「ドリーム」の舞台となったのは、黒人差別が色濃く残るアメリカ南部です。
そんな白人男性優勢の世界で、最も差別される存在の黒人女性が成功したのはなぜでしょう。
前例がないことを恐れなかった
ドロシーは自身でも管理が適任だと話しますが、前例がないからと昇進の予定はありませんでした。
しかし「IBM」計算コンピューターの存在を知りプログラミングの勉強を独学で始めます。
彼女は前例のないことに立ち向かい、自分が変わるのを恐れない勇気を持っていました。
彼女の行動力があったからこそ、新しい部署で黒人女性初の管理職の役職を手に入れたのでした。
差別への克服姿勢
冒頭、車の故障のシーンに彼女たちの差別への対応姿勢が顕著に表現されていました。