マッキーを演じるリッチ・ソマーの容姿もやや小太りではあるものの殺人を犯すとは思えません。

そんな表のイメージを見せておくことで終盤の殺人鬼として表わす冷徹な狂気の姿が引き立つのです。

如何にもありがちな殺人鬼ではなくその辺に居そうな普通の少年というイメージがギャップへ繋がります。

この点に関しては脚本や演出よりは寧ろ役者の力で説得力を持たせたのではないでしょうか。

デイビーを殺さない理由

情け容赦ないマッキーですが、彼はウッディを殺したもののデイビーはアキレス腱を切っただけで生かしました。

果たして彼は何故デイビーだけを殺さず生かしたのでしょうか?

生かさず殺さず

生かさず、殺さず

最後にマッキーはデイビーの耳元でこのように囁きます。

これから先もいつまでも俺のことを忘れさせない。俺は必ず戻ってくる、怯えて生きていけ

引用:サマー・オブ・84/配給会社:ブロードウェイ

そう、マッキーの目的はデイビーを生かさず殺さずの宙ぶらりんへと追い込むことでした。

これならまだウッディのように殺されて死んだ方がマシで、しかも最後まで続いています。

最後までマッキーは捕まらないままウッディは神経をすり減らして生きていかなければなりません。

その恐怖心を植え付けることこそが最大の目的だったのではないでしょうか。

罪悪感を利用している

人間関係のコツ3 罪悪感と恐怖心を克服する考え方

2つ目にデイビーが思い人も含む4人の友達を危険に巻き込んだ罪悪感を利用したのです。

最終的にデイビーの好奇心が裏目に出てしまい、彼は大切な友達を全員失ってしまいました。

もしデイビーが深追いしなければ、ウッディは殺されなかったでしょうしニッキーとも別れず済んだでしょう。

友達を悲惨な目に遭わせてしまった罪悪感もまた自身が生き延びたことで増すばかりです。

マッキーはデイビーの心理面を本当に深い潜在意識のレベルまで読んでいることが窺えます。

好奇心は猫をも殺す

好奇心は猫をも殺す (キャラ文庫)

そして何よりこのラストが示しているのは「好奇心は猫を殺す」ではないでしょうか。

今回の一見でデイビーは人間不信へと陥るほどのトラウマを植え付けられました。

そして何より興味本位で首を突っ込んだことでかえって事態が悪化する恐怖を味わったのです。

死と接近するゲームを経たことで大切なものを失いながらもデイビーは大人になったのでしょう。

とはいえ、それは決して喜ばしい結末ではなく、マッキーによって強制的に作られたものでした。

屋根裏部屋に潜んでいた狙い

屋根裏部屋の秘密 (偕成社の創作(38))

マッキーはデイビーとウッディを浚う時、何故かデイビーのイエの屋根裏部屋に隠れていました。

ここで彼が狙っていたことは果たして何だったのでしょうか?

最も隙が生じやすい時間と場所

まずデイビーとウッディが一緒に寝ていた時間と場所は最も隙が生じやすいものでした。

マッキーが犯人だと特定され、警察や大人がマッキーの家を捜索し、外を守ってくれているのです。

デイビーとウッディはここで大人に任せて安堵してしまったことで油断・隙が生じています

その隙が生じるをこそマッキーは狙っていたのではないでしょうか。

しかも誰もが想像しえない屋根裏部屋という場所が盲点だったのです。

非常に用意周到に隙が生じる瞬間を狙っての計画的犯行であることがよく分かります。

リアル鬼ごっこ

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