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『高慢と偏見とゾンビ』は、中世という時代背景をベースに物語が展開するロマンスゾンビ映画です。
ジェイン・オースティン原作の「高慢と偏見」を元にセス・グレアム=スミスが映画の元となるパロディ小説を出版。
貴族階級社会の中ですれ違う男女の恋物語を、ゾンビを取り入れたことでアクション性の高いストーリーに変えているのが特徴です。
ゾンビ映画かと思いきや、ヒロインを中心に描かれるさまざまな恋模様にはユーモラスな笑いがちりばめられているのも魅力。
ぱっと見B級ホラーかと思わせるタイトルからは想像できない、クオリティの高い映像作品に仕上がっていました。
今回は、そんな作品の中からキーパーソンであるウィカム中尉の正体を解説。
ビングリー家が去った理由や、ウィカムがリディアと駆け落ちした目的にも目を向けながら作品を考察していきます。
ウィカム中尉の正体とは
フィッツウィリアム・ダーシーと幼馴染であるジョージ・ウィカムは、ダーシー家の資産をめぐり彼と険悪な関係になっていました。
表面上は騎士を気取りながらも、上流ゾンビと称するゾンビたちと交流。
エリザベスと親しくなりながらも末の妹であるリディアと駆け落ちするなど、驚きの行動を見せる人物でもありました。
彼はいったいなぜ、そのような行動をとっていたのでしょうか。
復讐のための行動
ウィカムは元々ダーシー家の資産を狙って行動していました。
ゾンビたちに豚の脳を与えるために資金を必要とした彼は、自身がダーシー家から受け取った資金を浪費。
資産の尽きた彼は、さらに金を手に入れるべくダーシー家にすり寄ったのです。
当主を殺し、妹の資産を奪おうと行動したウィカムでしたが、彼の目論見は全てフィッツウィリアムによって阻止されます。
いつしかウィカムは、彼の理想を妨害したダーシーへの復讐を考始めたのです。
人を捨てていたウィカム
ゾンビの巣窟であるロンドンにフィッツウィリアムを呼び出したウィカムですが、そこでも彼の目的は妨害されます。
ウィカムの味方であった上流ゾンビたちも、ダーシーの行動により全て理性の無い下級ゾンビへと成り下がってしまったのです。
下級ゾンビにより襲われたウィカムは、その後何事もなかったようにフィッツウィリアムの前に現れます。
ゾンビに囲まれながらも無事だったウィカムは、すでに人を捨てゾンビになっていたのです。
彼自身が上流ゾンビだったからこそ、ゾンビと人との共存を考えたのでしょう。
士官として振舞っていた彼は、その時からすでにゾンビとしての人生を歩んでいたのです。
フィッツウィリアムの父の死の真相
ゾンビ化して死んだ故ダーシー家当主は、ウィカムの手によって変貌させられたと考えられます。
ウィカムがダーシー家に金の無心をしていたのは、上流ゾンビたちに与える豚の脳を買うためです。
金の無心を断られたウィカムは、ダーシー家の資産を狙いフィッツウィリアムの父をゾンビにしました。
そこには、断られた腹いせもあったのでしょう。
当主をゾンビにすることで報復すると共にダーシー家の置かれた環境を変え、新たな資金調達の環境を作り上げたのです。
ウィカムとリディアの駆け落ちの真相
ウィカムとリディアの駆け落ちは、ウィカムによる偽装です。