希は希で、正反対の光を全く理解できません。しかし最後には希でなければダメだと光を認める発言をします。
光への憧れ
光とは相いれない希ですが、光の存在は自分をイチイチ否定するものでした。
自由奔放で型にはまらない光の存在は、まったく真逆の自分の劣等感を刺激します。
そのため光に振り回されては『理解できない』と愚痴をはき、酔っぱらって光に絡む希ですが、その奥底では自分にはない行動力に憧れを感じています。
光から認められた希
光はその性格から、希のコンプレックスを刺激し続けます。
そのたびに自分の才能のなさを痛感し落ち込むのですが、次第に光と希の役割分担を理解し始めます。
そして劇中最後の保育士サポートプロジェクトでは希に手伝ってほしいこと、そしてプロジェクトには希の手堅さが必要だと光に言わしめます。
今まで受動的でなかなか自分からは行動しなかった希は、正反対の光から刺激を受け情熱をもって仕事をするまでに成長するのです。
光と丁寧語
希が光から影響を受けて成長したように、光もまた希から刺激を受けて成長します。それが顕著に表れていたのが、最後のプレゼンです。
いつもの光なら自分が思うとおり、感情のまましゃべり続けるでしょう。しかし今の光は違います。
『子供たちのためになればいいなぁって思う…思います!』
引用:スタートアップ・ガールズ/配給会社:プレシディオ
最後のプレゼンでは葛藤しながらも、語尾を丁寧語に直すのです。これは自分本意だった自分との決別。光もまた希のおかげで成長したのです。
やりたいことしかしない過去の光
過去の光は思いついたらすぐに始動。周りを振り回しても気に留めず、飽きたらポイ。次のプロジェクトに力を注ぎ始めます。
『やりたいことしかやらない』これが光でした。
光が大切にしていることは、自分の直感。そして『面白いか面白くないか』だけです。
おそらく裏切られることが怖くて、あえてそうして予防線を張ってきたという理由もあるのでしょう。
プロジェクトの先を見つめる今の光
しかし希の堅実さ、そしてときに真っ向から遠慮なく向き合ってくる希の態度に、光も触発されていきます。
あんなに裏切りを怖がっていた光が、希を信用しプロジェクトの先を見つめられるまでに成長していくのです。
互いに認め合う光と希
スタートアップ・ガールズの最後に、2人が全力をつくした保育士サポートプロジェクトから光は手を引きます。
今までの光なら『飽きたから』という理由でしょう。確かに映画ではアッサリと光が手を引くようにも見えます。
しかし今の光は自分の能力も希の能力も良く分かっています。
おそらくがんばって作り上げたこのプロジェクトを、希なら継続し成長させられる…そう思って託したのでしょう。
もちろん飽きた!と憎まれ口は叩きますが、そこには今までとは違う2人の確かな信頼関係を感じるものがあります。
起業というとっつきにくいテーマを元に2人の若い女性の成長を描き切ったのが、このスタートアップ・ガールズなのではないでしょうか?