メモリーカードにはゆめみが見てきた光景が記録されており、大半はプラネタリウムの投影を見たお客さんの声と顔が残っています。
星の人は彼女から「星の語り手」として想いを引き継ぎ、次は子供3人に継がせたいと考えて渡したように見えます。
本編終了後の世界
荒れた世界を生きる人々に星を見せる星の人の生き方を描いた本作は、地下集落の子供3人が「星の人になろう」と決意して終わりを迎えます。
物語を終えた後の展開はどのようになるのでしょうか。考えられるのは2つです。
1.集落の子供3人が星の人として各地を転々とする
子供たちが星の人から星のことを直接教えて貰えた時間は、あまり無かったと考えられます。
プラネタリウムの作り方や投影機の設備、星のことを勉強して彼らが理解できるかできないかで今後の展開は変わっていくでしょう。
星の人が残した本などを全て理解できた場合は、彼と同じように3人は各地を回り、星を見せていくのではないかと予想できます。
2.生活が苦しくなって集落が滅ぶ
本作の世界は生きることに精一杯で、生活以外のことにはあまり手が回らないように見受けられます。
星の人が行き着いた集落も「滅びを待つだけ」と村長が語るぐらいですし、生活状況が苦しくなれば星の人になる余裕がありません。
一番現実的な展開でしょう。
作品が訴えているものは?
荒廃した世界で星を見せる星の人の生き方を描いた『planetarian~星の人~』は、視聴者たちに何を訴えようとしているのでしょうか。
考えられる要素は2つあります。
1.希望を持つことの大切さ
本作は荒廃した世界を舞台としており、この世界に出てくる人物は生きることに必死で贅沢や趣味に走る余裕があまりありません。
外では星が見えず、余裕の無い世界を生きてきた星の人や地下集落の子供3人は、プラネタリウムを通じて星(希望)の尊さを知ります。
どんな絶望的な状況下であっても、希望だけは持っておくことが大切であると訴えているように考えられます。
2.争いの果て
本作の舞台である荒廃した世界になるきっかけは、人類同士で行った愚かな争いの結果です。
星の人は見てきた集落には、外から来た人を敵と見なす、交配のことしか考えないところもあったと語る場面がありました。
各地を回った彼の発言から、世界が荒れる前に比べて秩序が酷くなっていることが分かります。
人類同士の争いをしてもロクなことはないと訴えているように考えられます。
まとめ
荒廃した世界で星の素晴らしさを見せながら、各地を転々とする星の人の生き様を描いた『planetarian~星の人~』。
若い頃の星の人も生きることに必死な青年でしたが、自動人形のゆめみと出会ってからの彼の人生観は大きく変わります。
ゆめみから星の語り手を引き継ぎ、星の人から地下集落の子供3人へと継がれていく様は、まるで世代交代のように見えます。