出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01N7FYGCQ/?tag=cinema-notes-22
映画『泣き虫ピエロの結婚式』は望月美由紀原作のノンフィクションを実写化し2016年9月24日に公開した作品です。
監督は御法川修、主演を志田未来と竜星涼が務めており、脇もまた高橋洋など実力派が固めています。
非常に人気の高いラブストーリーであり、原作は以下の功績を残しました。
2014年に第4回「日本感動大賞」の大賞に選ばれた
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/泣き虫ピエロの結婚式
見習いピエロの佳奈美と余命幾ばくもない重病を患う陽介との切なくも甘い愛の物語です。
絶望的な運命に抗うのでもなく、また座して死を待つのでもない2人の生き方は受け手の共感を呼びます。
本稿では佳奈美が陽介を諦めなかった理由をネタバレ込みでじっくり考察していきましょう。
また、陽介が病気を隠していた理由やラストの指輪の意味も併せて読み解きます。
俳優・竜星涼の新境地
本作において特筆すべきは何といっても俳優・竜星涼の新境地開拓ではないでしょうか。
竜星涼といえば「獣電戦隊キョウリュウジャー」のキョウリュウレッドの印象が強い俳優でした。
端整な顔立ちにヒーロー然とした勇ましいイケメン俳優としての地位を確立していたのです。
そんな彼が正反対の弱々しい重病患者を演じたことは大きな転換点となったことでしょう。
実際本作を機に竜星涼はより繊細な演技が出来るようになり、俳優としての幅が広がりました。
そしてまた、竜星涼のソフトな内面を引き出した志田未来の演技力も見事です。
2人の演技合戦が魅力的な本作は果たしてどんなメッセージを伝えてくれるのでしょうか?
陽介を諦めなかった理由
見習いピエロのドジっ子・佳奈美は親友・真紀の伝手で陽介と出会います。
彼女は病気のことを知っても尚陽介のことを諦めず励まし続けたのです。
無神経と紙一重なキャラの彼女は何故そこまでしたのでしょうか?
笑いが世界を幸せにする
まず佳奈美の中にあったのは「笑いこそが人を幸せにする」という考えです。
彼女は兎に角人を笑顔にする、幸せにすることに重点を置いていました。
そんな彼女にとって陽介は笑いと対極に居る人だったのではないでしょうか。
常に冷たい偽悪的な振る舞いで佳奈美を振るいにかけて諦めさせようとします。
人は自分と同じ人間よりも全く異なるタイプの人に惹かれる生き物です。
だからこそ何が何でも陽介を笑わせてやると思ったのでしょう。
自己肯定感を高める
2つ目に、佳奈美は陽介に自己肯定感を高めて欲しかったのではないでしょうか。
病は気からといいますが、陽介の偽悪的な振る舞いは全て重病に起因するものです。
それが同時に陽介の自己肯定感を低くしてしまっていました。
余命などのような運命的なことは佳奈美にはどうすることも出来ません。
しかし、それでも気持ちを後ろ向きから前向きにすることは可能でしょう。
まず意識を変えることで陽介の自己肯定感を高めるように仕向けていったのです。
言葉よりも行動で示す
また、佳奈美は単に言葉だけではなく、行動でもその気持ちを証明していました。
わざわざ陽介を迎えに行けるように、1ヶ月間の短期集中で自動車免許を取ったのです。