弟のクライドや妹のメリー、更には行きがかりの仲間であるジョーまで大切にするのです。
とても犯罪仲間とは思えない程ジミーは愛情深く仲間達を信頼し愛しています。
故郷を大切に思うことによって、自然と人との繋がりを大事にするようになったのでしょう。
本作が犯罪映画でありながら後味悪くなく見られるのはこのアットホームな雰囲気があるからです。
繋がりを大切にすることこそがカントリーロードのもたらした影響だと窺えます。
バーにサラが現われた理由
ラストシーンでは何とクライドの経営するバーにFBI警官のサラが現われます。
彼女が座ったテーブルには何故か紛失した筈の義手まで意味深に置かれていました。
何故サラはこのバーに現われたのでしょうか?
逮捕するため
1番の理由は当然ながらジミーたちをまとめて逮捕するためではないでしょうか。
クライドが続けていたバーにはジミーの犯罪仲間達も居合わせていました。
サラは半年以上未解決となっている本事件を解決する義務を背負っています。
かといって、基本的に全員散らばっているので一堂に会するタイミングが重要です。
そこで全員がまとめて集まるクライドのバーを狙ったのだと思われます。
つまりローガン兄弟ら犯罪仲間の運はここで尽きたということです。
証拠が揃っている
2つ目に、そのバーにはジミー達を逮捕するのに決定打となる証拠が揃っているからです。
それが何かというと仲間たちの為にジミーがゴミの埋め立て地に隠していたお金でした。
表沙汰にならないよう、ジミーは携帯電話料金を未納にして困窮者に見せていたのです。
そして頃合を見計らってそのお金を仲間たちと山分けするつもりだったのではないでしょうか。
しかし、それこそがサラ達FBIの思う壺であり、その策略も正確に見抜いていたと推測されます。
ラストで彼女が見せた不敵な笑顔は「お前たちのやることなどお見通しだ」という意味でしょう。
顔は笑っていても目は笑っていないとは正にこのことです。
天網恢々疎にして漏らさず
3つ目に、この結末は即ち「天網恢々疎にして漏らさず」を意味しているからです。
本編では描かれていませんが、今の時代はインターネットのSNSなども犯罪防止に使われます。
おそらくジミー達の情報をネットで流した人たちがいるのではないでしょうか。
少しでも悪いことをしようものなら、たちまち通報され逮捕されてしまう時代です。
上手く逃げたつもりであっても、監視の目が24時間365日ついているでしょう。
どれだけジミー達に共感出来る要素があっても、彼らはあくまで犯罪者に過ぎません。
この善悪のバランスをしっかり根底の部分で貫いているのが本作の素晴らしい所です。
ローガン家の呪い
ローガン兄弟の人生はやることなすこと全部裏目に出てしまう不幸続きです。
クライドはそれを「ローガン家の呪い」と称しました。
ここでは改めてその呪いが本作にどう反映されているかを見ていきましょう。