リウはシャンシャンと付き合う中で、人魚が置かれている悲惨な現実に直面します。
自分たちが無自覚に経済優先の考え方で地球の環境にダメージを与えていることに気づき、リウは地球環境のために何ができるかを考えました。
海洋学を学ぶ学生のための基金創設など、これまで稼いだ私財を環境保全に役立てようとしたのです。
リウがソナーを浴びた理由
リウたちは地球の海洋全域にソナーを設置していました。
これはイルカなどの海洋生物を監視するとともに、それらを特定の場所に寄せ付けないためでした。
開発プロジェクトを進めようとすると必ずこれら生物保護の問題が持ち上がるからです。
彼は人魚たちがソナーのために痛めつけられ、廃船の中に閉じ込められている現状を知り、自らソナーを浴びる決心をします。
この時彼は何を考えていたのでしょうか。なぜ自らソナーを浴びなければならなかったのか、その理由を探って見ましょう。
リウは何に気づいたのか
リウたちはイルカなどを単に開発の邪魔者としてしか考えていませんでした。
同じ人類に対してイルカなどに対する仕打ちと同じ行為を普通にできるでしょうか。
リウは人魚たちを見てそれに気づきます。イルカたちだって人間と同じように生きる権利があるのだと気づいたのです。
リウ上半身の姿形が人間と同じ人魚を見て自分たちが何に対して何をしてきたのか気づかされました。
もし自分が同じようなことをされたらどのようなことになるのか。リウはそれを確かめるために自らソナーを浴びようと考えたに違いありません。
リウの生い立ちとの関係
実業家として全て金銭的なことを優先しているリウは本来の姿だったのでしょうか。
リウは偽りの自分自身の姿にうんざりしていた可能性があります。
彼は貧しい家庭に育ちました。経済的に世間を見返すために懸命の努力をしてきたのでしょう。
経済的に豊かになった彼は幸せだったのでしょうか。彼は自分自身にも自分にへつらう周囲の人たちにもうんざりしていました。
シャンシャンと一緒にチキンを食べるとき、父親が拾ってきて食べたチキンのおいしさを懐かしむシーンがあります。
シャンシャンと一緒に過ごすこの辺りからリウは本来の自分自身を取り戻していきました。
他者の痛みを理解できるように変わっていったのです。
ルオランの思い
ルオランは勧善懲悪の香港映画の典型的な悪役といった役回りです。
リウにしつこく付きまとい、シャンシャンも徹底的に痛めつけます。