ルーラの姿は、本来あるべき子供の姿なのかもしれません。
監督の娘を参考にしている
本作の監督の一人であるウィル・ベッカーは、自分の娘の姿を参考にしたと語っています。
確かに気になるものがあると駆け寄っていく様子は、とてもリアルで子供たちの姿を観ているようです。
大人であっても人の持つ好奇心のままに行動したら、ルーラのようになるのかもしれません。
ショーンがビッツァーの視点になって悪戯を体感する
これまでのシリーズでは、悪戯をするのはショーンの方でそれを収集するのは親友ビッツァーです。
冒頭でもその様子が描かれていましたが、ルーラの存在がその立場を逆転させているのです。
本作では、ショーンは悪戯の結末を身をもって体験しています。
懐かしい映画のオマージュがたっぷりの本作ですが、大人こそ観るべき映画といわれています。
大人向けの深い作品
ショーンシリーズはコメディ要素たっぷりに構成されていますが、世界観はとてもリアルに描かれています。
牧場主の安易な考えは単純な奴だな…と思わせつつも、どこかで現実の社会を風刺しているかのようです。
劇中に登場したミステリーサークルにも風刺要素がたっぷり込められていました。
かつて宇宙人によるものだと騒がれたミステリーサークルは、イギリス人の二人の老人が作ったと自白しています。
おそらくアードマンは自国のスキャンダルを風刺しているのではないでしょうか。
古き良き映画へのオマージュは、大人でなければ気付くことは出来ないスパイスです。
セリフがないから想像力を鍛える
大人向けの映画といわれていますが、国内では子供に推進されている映画でもあります。
それはセリフがないぶん、想像力を働かせるという理由です。
確かに観るものは、無意識に登場人物たちの行動から気持ちを読み取っています。
本作に登場するルーラは、子供たちが共感を生むキャラクターなのではないでしょうか。
SFと融合したショーンワールド
クレイアニメーションの傑作と呼ばれている『ひつじのショーン UFOフィーバー!』は、観所たっぷりの内容でした。
細部までこだわり抜かれているので、何度も観返したくなる作品といえます。
ショーンやルーラ、ビッツァーそしてエージェントなど各々の立場から映画を観返してみると新たな発見があるかもしれません。