それまでのシリーズでは何があっても007の名や立場を返上することはありませんでした。

何があろうとジェームズ・ボンドは永遠のヒーローだという暗黙の了解があったからです。

本作ではそれすらも捨てて、世捨て人として孤独に生きる道を選んだのでしょう。

これは同時にジェームズ・ボンドという絶対ヒーローの終焉をも意味しています。

タコの紋章の指輪が与えた影響

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物語前半でキーアイテムの1つであるタコの紋章の指輪が登場します。

果たしてこの指輪がどのような影響を物語に与えているのでしょうか?

スペクター構成員の証

このブラックオクトパスの指輪はスペクター構成員であることの身分証明でした。

いわば社員証のようなもので、これがないとスペクターの一員と認めて貰えません。

このことはホワイトが明かしてくれた情報から判明します。

すなわち、この指輪によってボンドはようやくスペクターへの手がかりを掴むのです。

スペクターの存在は『カジノ・ロワイヤル』から示されていましたが、決定打がありませんでした。

今回この指輪が登場したことで、そのスペクターとの対峙を強烈に印象づけています。

マドレーヌとの出会い

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2つ目に、スペクター構成員の証である指輪の登場でマドレーヌとの出会いが可能になりました。

そう、マドレーヌとの出会いはホワイトとの出会いがなければ実現しなかったのです。

この辺りは不思議な縁ではありますが、しかし同時にボンドの人生をも変えたといえます。

人の運命はいつどこでどのように変わっていくか分からないものです。

こういうちょっとした出会いやきっかけがその後大きな人生の転機となることがあります。

ボンドの場合正にこの指輪との出会いが同時にマドレーヌとの出会いに繋がったのです。

オーベルハウザーとの対峙

そして3つ目に、指輪の登場はラスボスのオーベルハウザーとの対峙をも意味します。

そしれそのオーベルハウザーは何とボンドとかつての義兄弟であるというのです。

ここは非常に斬新なポイントであり、最後の作品で「ボンドの過去」が明らかになります。

ラスボスが主人公に最も近しい人間の1人であったというのは斬新ではないでしょうか。

同時にそれは壮大なスケールの物語が実は義兄弟の喧嘩であったということを意味します。

現代的な話法らしく、大きな話を卑近な所へ落とし込む為の伏線であったのです。

マクガフィンとして非常に有効な役割を果たしたといえるのではないでしょうか。

ホワイトの自殺理由

自殺会議

さて、指輪の意味を知らせてくれたホワイトですが、彼はボンドの銃で自殺します。

ここではその自殺理由について掘り下げていきましょう。

毒を盛られている

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まず1番の理由としてホワイト自身が毒を盛られていることが挙げられます。

最初から彼はスペクターの1人として捨て駒扱いされているのです。

どの道、以外の選択肢は彼に用意されていませんでした。

しかし、だからといってそのまま運命通りに死んだのでは面白くありません。