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2016年に国内公開された「マジカル・ガール」は、日本アニメの影響を色濃く受けた話題作です。
白血病のアリシアを想う父親の気持ちが暴走し、バルバラを巻き込んで怒涛の展開となりました。
本作は多くを語らない作風ゆえに、様々な考察が生れています。
12歳の少女アリシアが魔法少女になりたかった理由、劇中に登場したマジックの意味を徹底考察していきましょう。
深く考察していくと、描かれた人間の奥深さに気がつくのではないでしょうか。
アリシアが魔法少女になりたかった理由
アリシアは劇中で「魔法少女ユキコ」に憧れ、魔法少女になりたいと望んでいました。
彼女は何を思って魔法少女になりたいと願っていたのでしょう。
沢山の経験をしたいから
劇中で自分の死期を悟ったアリシアは、タバコを吸いたがりジンも飲みたがっていました。
どちらも大人になったら出来ることです。
しかし、彼女は大人になれない自分の病気を知っていたので、生きているうちに全て経験したいと思ったのでしょう。
彼女にとって魔法は全てのことを経験させてくれる存在だったのではないでしょうか。
大人になった自分を経験出来るから
魔法が使えるなら何がいい?
誰にでも変身できる
引用:マジカル・ガール/配給会社:Avalon
アリシアは父親との会話で上記のように答えています。
魔法少女は誰にでもなれるのです。
近々死んでしまう自分ではなく、王様にもなれるし大人にもなれる…。
アリシアは、今の自分ではない誰かになりたかったのでしょう。
13歳まで生きたいと願う彼女は13歳の自分になりたかったのかもしれません。
何かを代償にしてもわがままを通したかった
カルロス・ベルムト監督の描く魔法少女は、願いを叶える代わりに代償を払うという世界です。
おそらくアリシアが憧れていた魔法少女ユキコも、魔法と同等の犠牲を払っていたと考察出来ます。
アリシアは余命が伸びないのなら、せめて自分の好きな世界で生きたいと願ったのでしょう。
彼女は魔法少女になることに、代償が必要であることを知っていたのではないでしょうか。
病気を治したいからではない
アリシアが魔法少女になりたかった理由は、様々に考察出来ます。
母親に戻ってきて欲しかった、お金持ちになりたかった…。
しかし病気を治したい、という願いは含まれていない気がします。
アリシアはしっかりと現実を見つめている少女です。