お互いを手錠で繫いだ最大の理由は、信頼させる為です。
警察を信じないというドゥ・チウに対して、自分を信じてもらうために手錠で繫いだのではないでしょうか。
奇妙過ぎる、警察と殺し屋が一緒に来る
引用:マンハント/配給会社:ギャガ
ドゥ・チウは警察への不信感でいっぱいです。
実際に浅野は酒井たちと繋がっており、ドゥ・チウが警察は敵と身構えるのも無理はありません。
深読みすると矢村自身、警察の内部に不信感を感じていたのかもしれません。
まずは自分を信じてもらい、ドゥ・チウと協力して真犯人を捕まえようと考えていたともとれます。
北川の死の真相
真由美の元恋人である北川ですが、3年前に不審な死を遂げています。
正樹は自殺したんじゃない、あの弁護士が彼を死に追いやったのよ
引用:マンハント/配給会社:ギャガ
真由美のセリフから、北川は自殺ということで処理されていたようです。
しかし、おそらくハ・ジウォン演じる女殺し屋レインたちによって上手く殺されたのでしょう。
いつか分る、死を持って証明する
引用:マンハント/配給会社:ギャガ
北川が残したこの言葉が、操作のミスリードに繋がったのではないでしょうか。
また北川の件に関しても、浅野が裏で警察の捜査を操作していた可能性があります。
北川の言葉を読み解くと、上記の「死をもって証明」は自らが殺されることを予期していたのではないでしょうか。
だからこそ真由美に遺書を残していたのです。
北川は自分が殺されることで、警察の捜査が入ると思っていたのでしょう。
残念ながらその捜査も上手くもみ消されてしまいましたが、最後は恋人の真由美によって真実が明るみにされました。
酒井が息子のそばで死んだ理由
本作に描かれていた酒井親子は黒幕的な存在です。
しかし悪役である彼らにも「愛」が描かれていました。
問題を持つ宏
天神製薬の次期社長である宏ですが、彼は少々問題を抱える人物です。
親に過剰に大事にされてきた為か、独占欲が強く自立できていません。
独占欲ゆえ希子を殺し、処理を浅野に任せています。
自分に自信が持てない人物で常に自分を敬ってもらいたい、という思想の持ち主なのです。
宏を見れば、どれだけ過保護に育てられてきたかがわかります。
まさに親の七光りでちやほやと扱われ、勘違いの人生を歩んでいる人物なのでしょう。
監督が求めた親子愛
欠点のある息子を理解し、それでも大切にしていたのが親である酒井義廣です。
息子を愛していたから甘くなってしまう…、親なら誰しもが持つ感情を酒井義廣も持っていたのでしょう。
どうするんだ?
息子のところへ行くよ
引用:マンハント/配給会社:ギャガ
他者には冷酷な態度を取り続けた酒井義廣ですが、息子をことのほか愛していたのです。