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『影裏』は2020年に日本で公開された映画です。
題材は著者・沼田真佑が出した同名タイトルが原作で、第123回文學界新人賞と第157回芥川賞を受賞しております。
主人公は綾野剛が演じる今野で、彼が務める会社の出向先で日浅と知り合うことからが物語の始まりです。
出向先で1人寂しく過ごしていた今野に寄り添った日浅は彼の友達になりますが、日浅は唐突に彼の前から姿を消します。
姿を消した日浅の行方を追おうと今野は動きますが、探っている内に日浅の裏の顔を知っていくというのが物語の流れです。
こちらでは互助会の書類を見て今野が泣いた理由、釣り場で日浅の幻が現れた意味、日浅の生死の真相を主に考察していきます。
なぜ日浅は西山から30万円を借りたのか
物語が始まる前、日浅は失踪前に前職の部下である西山から30万円を借りていました。
彼はなぜ繋がりが薄い彼女からお金を借りていたのでしょうか。考えられる要素は2点です。
単純にお金が欲しかった
理由が無いと言っているようなものですが、これは上京した頃の日浅の行動から予測できる部分です。
上京して大学に4年通ったと家族に嘘をついていた日浅は、平気で人に嘘をつける性格である可能性があります。
日浅の父は在学中だった彼の生活のために4年間生活費と学費の仕送りをしており、兄と飲んだ際には学友の話をしていたようです。
空白の4年間は物語では明らかになっておらず、お金を貰うために嘘をつくことをためらわない性格であったように考えられます。
実家から出て行くことになり、出費がかさむから
日浅が西山と最後に会ったのは、実家から出て行く2月より前だと考えられます。
彼としては2月になる前に、引っ越し費用に使う大金が必要だったのではないでしょうか。
どのような場所に住むか、貯金額によっては30万を借りる必要が無かったのかもしれません。
ですが、日浅の金遣いについては言及されておらず、彼がどこに多くのお金を使っていたかは不明です。
貯金が無かった場合に考えられる理由としては、経歴詐称の件で父が払ったお金を返すために使ったのではないかとも考えられます。
互助会の書類を見て今野が泣いた理由
物語終盤、日浅が所属していた株式会社アイシンからDMが届きました。
そこには以前送付した互助会の書類を見て欲しい旨の内容が書いており、この書類を見た今野は涙を流します。
なぜ彼は泣いたのでしょうか。考えられる要素は2点です。
自分が契約更新をしていれば彼が姿を消すことはなかった
以前届いた書類には、日浅の名前が書かれた互助会のプラン変更に関する内容が書かれていました。