少しずつ変化するフラッシュバックは、ラストに進むにつれて2人の繋がりを感じられるように演出されていたのです。
カミーユはカイザーの正体に気づいていたのか
どうして、私も撃ってくれなかったの…
引用:ポーラー 狙われた暗殺者/配給会社:Netflix
ダンカンに銃を向けるカミーユは、最初から彼に気づいていたことを語ります。
彼自身がカミーユを知らなくても、彼女はずっと彼の顔を覚えていたのです。
家族の顔を忘れてもダンカンの顔だけは忘れられない…。
復讐の気持ちを胸に秘めた彼女は、どのように彼に報復するかを考えながら共に日々を過ごしていたのです。
カミーユの店での行動
ダンカンとカミーユが直接出会ったのは、町の雑貨屋でした。
単なる近隣住民として知り合う2人ですが、カミーユはダンカンを見た瞬間緊張から体を竦ませています。
直後に入店した人物に驚きラックをひっくり返した姿は、ダンカンに気づいた彼女の動揺からのリアクションだったのでしょう。
2人の関係を知ってから出会いのシーンを見直すと、カミーユの行動のおかしな点に気づけます。
顔も知らない少女
ダンカンは、自分が誤って家族を殺害したカミーユに対して罪悪感と謝罪の気持ちを抱えていました。
しかし、懺悔の気持ちこそあったものの、彼自身は被害者であったカミーユの顔を覚えてはいません。
だからこそ、カミーユと出会い彼女の生い立ちを聞いた後も、自分の犯行の被害者であると気付かなかったのです。
あなたは、私の顔を見ても気づかなかった
引用:ポーラー 狙われた暗殺者/配給会社:Netflix
そう嘆くカミーユの気持ちは、寄付だけでは謝罪の気持ちは届かなかったという現実をしっかりとダンカンに訴えたのです。
カイザーの寄付の意味
ダンカンは、自分が殺害した家族の生き残りであるカミーユに定期的に寄付を送っていました。
暗殺者である彼はなぜ、カミーユを生かし、寄付まで送っていたのでしょうか。
ブラック・カイザーの大きな間違い
カミーユの家族を殺害したのは、ブラック・カイザーであるダンカンの汚点です。
ダンカンは暗殺にあたり、カミーユの父と部下や護衛に発砲したつもりだったのでしょう。
しかし、中の見えない車内に乗っていたのは罪のない子供たち。
これから生まれてくる子供を含めたカミーユの家族には、殺害される理由は無かったのです。
根はやさしい暗殺者
暗殺者としての定年が目前となったダンカンは、ペットでも飼って1人でひっそりと余生を過ごそうとしていました。
ペットを飼う、誰にも関与しないという点を見ると、彼が根はやさしい人物だったことが伺えます。
殺人という行為に対する罪悪感が麻痺していたのは、誤って犬を殺してしまった後の行動からも読み取れたことでしょう。
しかし、人とのふれあいや子どもとの触れ合いを拒否しない辺りからは、根が平凡を求める人物であったことを強く感じさせます。
誰かに許しを求めていた
ダンカンはターゲットや、それに関与する人間以外をむやみに殺害していませんでした。