エヴァリナを連れ旅行と称して行った殺しからも、その事実は伝わってきます。
罪もない女性や子どもを殺すのは彼の信念には無かったのでしょう。
カミーユの母親や幼い弟を殺してしまったことに対して彼は大きな衝撃と懺悔の気持ちを抱えることになりました。
吐き出せない懺悔は、カミーユへの寄付という形をとり彼女の元へと届けられることになったのです。
新たに始まる復讐劇
ダンカンを殺して終わるかと思った物語は、2人が共に生存の道を選んだシーンで幕を閉じます。
彼らの胸には、お互いの過去を支え合う形での解決が訪れたのでしょう。
しかし、カミーユの復讐心は消えたわけではありませんでした。
カミーユの父親を殺したかった人物
カミーユの父親はまごうことなき暗殺のターゲットでした。
実行犯はダンカンでしたが、彼自身が殺しの動機を持っていたわけではありません。
彼女の父親を殺すように指示した人物こそ真にカミーユが憎むべき復讐相手です。
ダンカンの謝罪の気持ちを受け取り彼を許したカミーユは、新たな復讐相手としてカイザーに依頼した人物に関心を移します。
2人の関係はどう変わったのか
過去のわだかまりを消火させた2人は、共に生きる道を選びました。
しかし、物語はこれで終わりを見せたようには思えません。
わたしのお父さんをターゲットにしたのは誰?
引用:ポーラー 狙われた暗殺者/配給会社:Netflix
このカミーユの言葉は、これから始まる新たな復讐劇を示唆しているようにも感じさせます。
実行犯ではなく依頼主を見つけ出して報復する。
2人が見る未来には、そんな新たな復讐の火が灯っているようにも感じられました。
マッツ・ミケルセンの魅力120%の傑作
『ポーラー 狙われた暗殺者』は、Netflixオリジナル映画として配信された見どころ満載のアクションサスペンス作品です。
主人公のダンカンはのキャラクターは、マッツ・ミケルセンの肉体美溢れるダンディさで彼の魅力を120%演出。
眼帯を付けたあとの姿は、メタルギアソリッドのスネークを彷彿とさせるカッコよさもあり。
彼自身がまるでCGかのような迫力で、後半の全てのシーンを余すところなく見せ場としていました。
ミュージックビデオを多数手掛けるジョナス・アカーランドが監督を務めたのも、この映画の見どころといえるでしょう。
中だるみしそうな2時間の長編映画は、マッツ主演とジョナスの演出により最高のエイターテイメント作品となったのです。