実はこのモノリスですが、レッド・ツェッペリン「プレゼンス」やザ・フー「フーズ・ネクスト」のジャケットにも使われてます。
このように世界的に有名なバンドにも影響を与えてしまうモノリスは、それぞれの人によって解釈され、使用されているのではないでしょうか。
作中に現れるモノリスは一貫して、大きさはものによって異なるものの、形状は四角柱で各辺の比は1:4:9という最初の3つの自然数の二乗となっているそうです。
これは人工物であるということを、見ている側に視覚的に意識させるためにあえてこの形とされています。
月面クラビウス基地に蔓延する様々な噂とは
フロイド博士が月へと足を運ぶきっかけとなったのは、未知の人工物が発見されたためでした。
しかし、このことを他の博士や研究者たちに知られぬよう、月では伝染病が蔓延しているという噂をあえて流しています。
月面クラビウス基地が連絡を断っていたり、緊急着陸にも応じることができなかったのは、博士たちが生まれる何百万年も前に人工的に埋められたモノリスの存在のせいでした。
本来であれば人類が誰も訪れたことのなかったはずの月に、存在したモノリスの存在を知られるわけにはいかなかったのです。
ヒトとしてまだ人類が進化しきれていない何百万年前に埋められたとされる未知の存在は何をもたらすかもわからないので、慎重に調査を行うことは当然とも言えるでしょう。
人工知能である『HAL 9000』による殺人
1960年代における人工知能という未知の存在
キューブリックはこの作品を制作した際に、先の未来に存在する人工知能を予測し、取り入れています。
HAL9000はミスも犯したことのないきわめて賢い人工知能ゆえに、多くのことを察知し知ってしまい、殺人を犯してしまいます。
HALの存在は、機械化が進んでいくこの時代に対するキューブリックからの、機械に頼りすぎてはいけないという警告のメッセージにも取ることが出来ます。
人工知能が当時よりもさらに身近になったいま、改めてこの作品を通して考えさせられることも多くあります。
『HAL 9000』の本当にしたかったことは?
HALはディスカバリー号の乗員たちと話し合い、協力するよう命令されていました。
一方で、密かに与えられたモノリス探査の任務について、ディスカバリー号の乗員に話さず隠し、無事に木星に着くまでは伝えてはならないという任務も与えられていました。
乗員2人の不安を察知したHALはどんどんとおかしくなってしまいます。
しかし、AE35ユニットの故障という嘘をつくことで、乗員からの信頼をなくしてしまうHALは自分の機能が停止させられることを危惧するようになります。