『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』は、原作の小説とは異なるストーリーを展開しています。

時間に限りのある映画にて、キャラクターを減らしストーリーが分かりやすく。

殺人をシンプルにして動機や行動内容も分かりやすくなっていました。

時間制限故の10人ゲームなのか

原作小説におけるデス・ゲームの参加者は12人。

これらの人数を映画では10人に絞り、入り組んだ人間関係をすっきりとさせていたように感じます。

時間制限のある映画故のキャストかと思いますが、その分役者へのこだわりを強く感じられたのも事実です。

藤原竜也を筆頭に石原さとみや綾瀬はるか、大野拓朗といった豪華俳優を抜擢。

片平なぎさや北大路欣也といった大物俳優を入れることで、アクの強いキャラクターが生きる作品となっていました。

原作を読んだ人に新たな楽しみを

ぜんぶ、すてれば (日本語) 単行本

小説を読んでから映画を観ると、ラストに近づくにつれ開いていく原作との違いに気づきます。

原作ではメンバーの4人が生き残る反面、映画ではデスゲームが正式に終結。

参加者の殺害動機や方法も異なるため、原作既読者でもストーリーの先が読めません。

誰が観ても新鮮なストーリーを楽しめるというコンセプトを持って映画化されたのが、実写映画の「インシテミル」なのでしょう。

監獄に入ったのは

監獄実験―プリズンラボ― : 1

映画では監獄に入った人物は岩井のみでしたが、原作では主人公の結城も監獄送りにされていました。

登場人物の減少や与えられたアイテムの違いだけではなく、参加者たちの行動も大きく違います。

このような違いは、キャラクター同士の複雑な心理戦や人間関係を簡略化した結果だったのでしょう。

メンバー同士の推理の応酬などが無かったのと同様に、観る者に推理させることもほぼありませんでした。

「7日間のデス・ゲーム」というサブタイトルにあるように、本作のメインテーマは推理ゲームというよりもデスゲームだったのでしょう。

推理かデスゲームか好みの分かれる作品

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『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』は、豪華俳優陣がスピーディなデスゲームを繰り広げるサスペンス映画でした。

役者本来の魅力を感じられる反面、原作小説にあった推理小説としての魅力が半減していた部分もあり、賛否を分けた作品ともいえるでしょう。

しかし、原作と映画で2度楽しめる作品となっているのも事実です。

双方の違いを比較しながら見てみると、どちらの作品も違った良さがあることに気づくのではないでしょうか。

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