大抵の父親は娘にとってナイトでいようとします。娘が危機に陥ったら何をおいても駆けつけたくなります。
ブライアンのようにフィジカル面で存在感を示す父親もいますし、博識や経験を活かそうとする父親もいるでしょう。
いつも父親は娘から「世界一の男」と思われたいのです。
娘に恋人ができると話はややこしくなります。多くの父親は心で怒って、表面的には理解ある父親像を演じたりします。
本音と建て前が違いますので、物事がこじれてくる場合もでてくるのです。
娘にとって父親とは
やはり小さい頃は娘にとって父親は頼りになる存在です。何でもできて何でも知っているスーパーマンに見えます。
もちろん現実は違いますので、思春期を迎える頃になると娘にとって父親株は暴落するのです。
「一緒の空気を吸うこともイヤ」などといわれたりもします。
これは人間にとっては極めてナチュラルな現象です。
娘にとっての父親的存在が実の父親から彼氏に移らないと健全な家庭を構築することが難しくなります。
娘は実の父親を否定することによって、自分にとっての新たな父親的存在を彼氏の中に見いだすのです。
ブライアンのように超人的に強い父親がいたら、キムは実の父親の価値体系から抜け出すことが難しくなることでしょう。
常に父親の価値観の目線で物事を見て判断するようになってしまうからです。
しかしながらキムはかなり精神的にタフに育っているようです。
しっかりと父親像とは異なる男性であるジミーと新たな人生に踏み出そうとしています。
ブライアンが警察を信用しない理由
ブライアンのこれまでの行動を見ると、基本的に警察の力を全く信用していないようです。
常に自分と自分の家族の身は自分で守るという姿勢を貫いています。
これはやはりCIAの工作員として幾多の危機を乗り越えてきた経験によるものなのでしょう。
裏切りが当たり前の世界で少数の本当に信頼できる仲間にしか心を許してはいけないことを知り尽くしているからでもあります。
皮肉なことに今作の警察のリーダーはかなり優秀です。彼とうまく連携できたらもっとスムーズにことが運んだかも知れません。
レノーアの殺人
あっさりと殺されてしまうレノーアですが、ここからブライアンの復讐劇が始まるのです。
復讐の鬼となったブライアンはスチュアートに踊らされてオレグと闘うことになります。
犯人は
結局はマフィアによる借金の取り立てを何とかしようというスチュアートがレノーア殺害の筋書きを書いていました。
この辺りのブライアンは実に単純というか、直情型でまっしぐらに見えます。