政治家になりたいと思っていたウィルは、手っ取り早く権力を手に入れるため、街に残ったのです。

さらに政治家の第一歩が、大きな権力を与えられたことを考えると、ウィルにとってはこの選択が成功だったかもしれません。

腐敗した権力者は嫌い

映画ポスター、ロビン・フッド(2018)アートポスター フレームサイズ(33x45cm)、装飾が施された部屋、最高の贈り物

ウィルは州長官のように、政治家になりましたが、ノッティンガム州長官のような政治家は目指していません。

というのも、映画内でも市民に重税を課す政府のやり方に、ウィルは反感を覚えています。

つまり、ウィルは市民のための政治家になりたいと思っているのです。

クリーンな政治家としてデビューするならば、これまで虐げられてきた地元の市民のための政治を行いたい。

そう思って、ウィルは街に残るのでした。

ウィルが抱いている「恨み」

ロビンが政府や権力者を恨んだように、ウィルはロビンやマリアンに対して恨みを抱いています。

街に残って政治家になったのは、クリーンな政治家としての心もありつつ、個人的な恨みもあるのです。

マリアンを奪われた

 映画ポスター、ロビン・フッド(2018)-5アートポスター フレームサイズ(33x24cm)、装飾が施された部屋、最高の贈り物

ウィルもロビン同様、最愛の人を奪われました。ウィルから見れば、マリアンは未亡人であり、正当に愛した人です。

しかし、映画ラストでロビンとマリアンがキスをする様子を見て、ウィルはマリアンを諦めます。

ウィルにとっては、ロビンは恋敵であり、恨むべき相手なのです。

だからこそ、政治家になって初の演説で、ロビンを悪党と名指ししました。

最愛の人を奪われた恨みが、政治家としての野心を後押しし、市民をあおって「ロビン狩り」を始めるのです。

権力者としての地位と権力

映画ポスター、ロビン・フッド(2018)-10アートポスター フレームサイズ(33x24cm)、装飾が施された部屋、最高の贈り物

ロビンとマリアンへの恨みを抱いたウィルは、どうにかして二人に仕返ししたいと思います。

そのときに思いついたのが、自身の野望であった政治家となり、権力を使って二人を追い込む事だったのです。

街の全権力を与えられたウィルは、市民に対して自由に命令できます。

こうしてロビンとマリアンを追い込めば、ウィルは恨みを晴らすことができるし、これが現在のウィルの一番の希望です。

奪われた恨みは力へ

映画ポスター、ロビン・フッド(2018)-3アートポスター フレームサイズ(33x24cm)、装飾が施された部屋、最高の贈り物

故郷を奪われ、子どもまで奪われかけたジョン。財産や妻を奪われたロビン。愛する人を奪われたウィル。

本作『フッド:ザ・ビギニング』で、重要な登場キャラクターは、みな奪われた側の人間です。

一方搾取する側は常に搾取しており、結局枢機卿は生き残っています。

戦争は結局権力者が得をするだけ、と映画内でロビンは気付きますが、映画が終わってもこの構図は変わらないのです。

童話ではない、民間伝承の伝説を映画化した本作は、人間世界のリアルな事情を映し出しています。

原作の『ロビン・フッド』にも、いろいろな説があるようなので、こちらを詳しく見ると、より深い考察ポイントが生まれそうです。